「戦時共産主義」下のソフホーズ建設――ソフホーズ建設の理論と実態――

タイトル 「戦時共産主義」下のソフホーズ建設――ソフホーズ建設の理論と実態――
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1993~1993
研究担当者
発行年度 1993
要約 ソフホーズは農民経営を集団経営へと再編するためのモデル農場として構想された。しかし、物質・技術的基盤の欠如、内戦という制約のため、その理念は紙上のものに止まった。またこの時期に中央集権的な管理体制が萌芽的に現れていた。
背景・ねらい ロシア農業において、ソフホーズは現在においても大きな比重を占
めており、その再編は今後の状況を大きく左右する重要な存在であ
る。従って、ソフホーズの抱える問題を解明することはすぐれて現
代的意義をもっている。そしてそれは、まさに歴史の中で形成され
てきたのであり、その正確な把握のためにはソフホーズ史研究が必
要とされている。本研究は、この意識の下、1917~1921年のソ
フホーズ建設の理論と実態を実証的に解明することをその主要な課
題としている。
成果の内容・特徴
  1. 国営農場の建設という理論は、土地を得た農民を反革命の側に追い
    やることなく、集団経営に導くためのものとして構想された。だが
    、革命直後にはこの理論は、具体性を欠いており観念的なものにと
    どまっていた。これが一定程度具体化されるのは、1919年2月の
    「社会主義的土地整理に関する規程」によってであった。これによ
    り、ソフホーズが組織される対象および課題が確定された。
    (表1)
  2. ソフホーズは、戦時下の食糧不足という条件から食糧増産を第1の
    課題とすることを強制された。それは、「肉食・穀物工場」として
    大きな期待を担った工業プロレタリアートが管理する「編入ソフホ
    ーズ」においてとりわけそうであった。しかし、物質・技術的基盤
    の欠如、経営内組織の未整備、有能な要員・労働者の不足から、ソ
    フホーズの理念は紙上のものに止まっていたのである。
  3. ソフホーズ建設は表1のように進行した。だが、その課程で中央集
    権的な管理体制・地方の実情を考慮しない調達制度というソ連農業
    の特徴が、すでにこの時代に萌芽的に現れていた。
成果の活用面・留意点 旧ソ連農業の中核を占めたソフホーズの成立過程を検討することに
より、現在の旧ソ連農業の深層をより理解することができる。
図表1 228294-1.gif
カテゴリ 経営管理

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