ガット・ウルグアイ・ラウンドの軌跡

タイトル ガット・ウルグアイ・ラウンドの軌跡
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1993~1994
研究担当者
発行年度 1993
要約 ガット・ウルグアイ・ラウンドは、1986年の開始以来、足掛け8年にわたりようやく決着を見た。農業交渉の決着において決定的であったのは、ガット事務局が90年夏以降、イニシアチブを発揮して、最終合意案の提示に持ち込んだことである。
背景・ねらい 長期間にわたったガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉過程につい
て、農業交渉を中心として92年末までの経過を概観した。分析に
当たっては、とりわけ先行の研究が少ない90年以降の交渉の展開
にみられる特色を明らかにするよう努めると同時に、92年末の時
点におけるさしあたりの到達点を確認し、当時の交渉の直面する問
題点及び残された課題についての指摘も試みた。
成果の内容・特徴
  1. 交渉開始(86年9月)から中間合意成立(89年4月)までの期間の
    農業交渉過程では、交渉の対象措置として輸出補助、国内支持、国
    境措置のいわゆる3分野が浮上した。
  2. 中間合意以降の交渉では各国から出された提案をめぐって議論が展
    開され、米国提案に非関税措置の関税化による削減・撤廃、国内支
    持政策の分類による削減対象の特定、といった構想が盛り込まれた
    のに対し、日本やECは独自の提案で対抗した。
  3. 90年6月以降、事務局側によるイニシアチブの試みがみられたが、
    かえって混乱を生じ、結局合意することができないままウルグアイ
    ・ラウンドの延長が正式に決定した。
  4. 91年に入り再会された農業交渉では、3月から6月にかけて技術的
    問題に限った討議が展開された後、事務局が周到かつ積極的なイニ
    シアチブを発揮し、12月20日の貿易交渉委員会終了後に農業を含
    む全分野の最終合意提案を提示するにいたった。
  5. 最終合意案の提示後、92年に入ってからの交渉は、米国とECとの
    対抗関係を主軸として展開された。両者の交渉は11月にブレアハウ
    ス合意として結実した。
    (表1)
成果の活用面・留意点 ガット・ウルグアイ・ラウンドのさまざまな局面について、時事的
に取り扱った文献は多数あるが、この時期にわたった交渉の過程を
詳細に分析したものは皆無である。この過程を跡づけることは、今
後の多国間、あるいは二国間での農業交渉において、行政担当者に
も有益な示唆を与えるであろう。
図表1 228300-1.gif
カテゴリ 輸出

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