日米の酪農政策の基本的枠組みの比較研究

タイトル 日米の酪農政策の基本的枠組みの比較研究
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1994~1995
研究担当者
発行年度 1994
要約 日米の酪農政策を、加工原料乳価格支持政策、用途別乳価をプールした支払い、輸入割当、生産調整政策等に関して比較検討し、関税化の影響を緩和する上でアメリカの方が有利な点があること等を示した。
背景・ねらい ガット・ウルグアイ・ラウンド合意の実施を控え、今後の市場開放下における酪農政策の枠組みが問われている。本研究の目的は、日米の酪農政策を比較検討し、類似点・相違点を明らかにするとともに、関税化の影響を検討することである。
成果の内容・特徴
  1. アメリカの酪農政策は、加工原料乳価格支持政策、マーケティング・オーダーを通じた用途別乳価とプール乳価による支払い、輸入割当という3つの柱により組み立てられており、さらに、状況に応じて、これらを生産調整政策が補完する形となっている。最近では、輸出補助金も重要な政策の1つとして加わっている。日本の酪農政策も、アメリカと同様に、加工原料乳価格支持政策、指定団体制度を通じた用途別乳価とプール乳価による支払い、輸入割当という3つの柱によって組み立てられており、状況に応じて、これらを生産調整政策が補完している。輸出補助金を除けば、日米の酪農政策の基本的枠組みはよく似ている。
  2. しかし、個別政策の中身をみると、アメリカでは、在庫量に応じて支持価格を調整するという抑制装置があるとはいえ、乳製品を政府(CCC)が無制限に買い上げるが、日本では、畜産振興事業団の乳製品買上げは1979年以来停止されている等運用に違いがある。
  3. また、日本では、飲用乳価プレミアムの形成には政府は直接関与せず生産者組織を強制的に強化(「指定団体」の指定)して一定の飲用乳価プレミアムの確保が可能となるように図られているのに対して、アメリカでは、マーケティング・オーダー制度により、飲用乳価プレミアムそのものを政府が最低保証している(図1)。この米国の方法は、乳製品貿易の「関税化」の影響を緩和する場合には非常に効果的であると考えられる。
  4. さらに、アメリカのウエーバーによる乳製品の輸入制限は、長年にわたり、国内生乳生産の2%以内に輸入を抑制するという方針で貫かれており、日本の制度よりはるかに輸入抑制に寄与してきた(表1)。
成果の活用面・留意点 今後の開放市場下における酪農政策のあり方の検討に資することが期待される。
図表1 228306-1.gif
図表2 228306-2.gif
カテゴリ 加工 乳牛 輸出

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