タイトル |
転作の地域間調整と農家経済 |
担当機関 |
農業総合研究所 |
研究期間 |
1994~1996 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1994 |
要約 |
転作率、転作助成金単価を説明変数とする農業所得関数を推計し、転作面積を現在以上に傾斜的に割り当てると、借地需要は、低率転作地域で減少し、高率転作地域では増加すること等を明らかにした。
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背景・ねらい |
本研究の目的は、転作面積率を地域間格差の存在が、米生産の効率性および地域の借地需要に与える影響を検討することである。
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成果の内容・特徴 |
- 転作助成金単価(農家が受け取る転作助成金を転作面積で除したもの)を都道府県ごとに推計し、転作率、単位面積当たりの地代との相関を計算した。その結果、助成金単価は転作率と負の相関をもち、地代率と正の相関をもつことが明らかとなった。また、都府県の転作率は土地生産性よりも、総合生産性と強い負の相関をもつ。
- 1970年代後半から今日に至るまで、設定された転作率と助成金単価は、時期と地域とは無関係に、稲作所得を減少させ、借地需要を一定にとどめる効果をもっている。
- 助成金単価が地代率を上回っていた1980年代半ばまで、転作面積の傾斜的な割当によって、地域間の公平な所得分配と農地の効率的な利用の両立が図られていた。ところがそれ以降、助成金単価が地代率を下回る局面を迎えると、傾斜的な転作割当は、所得の公平な分配を損なう効果をもつこととなった。
- 都府県間で、転作面積を現在以上に傾斜的に割り当てると、低率転作地域の借地需要が減少し、高率転作地域の借地需要が増加する。
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成果の活用面・留意点 |
転作助成金単価の推計結果の妥当性を確認する方法を検討する必要がある。 (表1)
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図表1 |
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カテゴリ |
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