意識としての農村社会研究

タイトル 意識としての農村社会研究
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1994~1994
研究担当者
発行年度 1994
要約 農業経済畑の農村社会研究において、時代情勢、職場環境及び学説の系譜が如何に影響しているかを、文学部畑の農村社会研究と対比しつつ、明らかにした。
背景・ねらい 社会科学研究それ自体も文化の一形態として、それ自体固有の自己展開を遂げるものであると同時に、それを取り囲む時代情勢や社会環境に影響されつつ形成されるものでもある。本研究は、農業経済畑の村落研究が、各時代の農政や与論、研究に携わる者の人数・大学講座制などの研究環境、そして学説に内包される理論や方法の性格や方向性にどのように規定されてきたかを明らかにするとともに、1960年以降の35年間の村落論諸説の系譜と特徴を分析する。
成果の内容・特徴
  1. 農業経済畑の農村社会研究は、講座制などの制度的支えがないために時代情勢により敏感に反応してきた。ただ、60年代前半は基本法農政の登場により世間的には農村社会への関心が集まった時期であったのに、農業経済畑には農村社会研究徒が少数しか育っておらず、対応できなかった。60年代は全般に関心が対象としては個人、内容的には変化へ集中していた。70年代前半は総合農政下で農業の行方をめぐり議論の沸騰した時期であり、村落へ関心が集まった時期であった。このとき中堅の一部の農業経済学者が農村社会研究へ転入をはかるとともに、大学闘争を契機に大衆化し過剰化した院生の中に、農村社会研究に新規参入する者も現れた。80年代は農政・世間の関心は国際化や環境問題へ向かい、農村社会研究は停滞期に入る。ただ、70年代に参入した新世代の加入によりテーマは分化し多彩な展開を遂げるのである。
  2. その結果、学説としては、60年代にはカリマス的指導者のもとで少数の農村社会学研究専攻者による巨視的社会学が芽生え、70年代には彼らと農業経済学の中堅転入者の学際的の中から農経独自の村落論が形成された。ただ、実証手続きに普遍性をもたないこれら諸説は新世代に継承されず、80年代は米国社会学の影響による定量的機能的村落研究が増加している。
成果の活用面・留意点 本研究は村落論に限定されており、農民論や家論を欠いている。
図1、図2
図表1 228325-1.gif
図表2 228325-2.gif
カテゴリ シカ

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