わが国の農村が持つ社会安定化機能の諸類型

タイトル わが国の農村が持つ社会安定化機能の諸類型
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1994~1995
研究担当者
発行年度 1994
要約 農村の持つ社会安定化機能について、労働市場安定化機能、高齢者保護機能、避難所機能、安全維持機能に分類し検討するとともに、農村は犯罪率が低く安全であることを明らかにした。
背景・ねらい 農業・農村が種々の公益的機能をもつことは指摘されているが、農村が社会を安定化させる役割を果たしていることについての包括的な研究は少ない。本研究の目的は、安全維持(防犯)機能について定量的分析を行うこと等により、農村の社会安定化機能を分類・整理し詳細に検討することである。
成果の内容・特徴
  1. 本研究では社会安定化機能を労働市場安定化機能、高齢者保護機能、避難所機能、安定維持機能の4種類に分類した(表1)。
  2. 高齢者保護機能については、特に農村部では老親と子供夫婦との同居が都市部と比較して多いことより老人のケアが家庭内で行われやすいことを示した。また、農業は都市においては就業が困難な高齢者に対しても、職業と生活の糧と生きがいを提供しており、農村は本来は国が行うべき社会福祉の一部を代替しているといえる。
  3. 避難所機能については、農村は戦災時や天災時に都市住民に避難所を提供する機能を有し、都市型の国家は戦災や天災などの外部からのショックに対して脆弱である。
  4. 安全維持機能については、農村では都市と比較すると、人口あたりの犯罪発生率が低く安全であることを、犯罪の経済学のモデルにより、重回帰分析を用いて明らかにした。
図表1 228329-1.gif
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