マレーシアにおける鳥肉消費の動向

タイトル マレーシアにおける鳥肉消費の動向
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1994~1997
研究担当者
発行年度 1994
要約 マレーシアでは、鳥肉の消費量が特に急増していること、この背景として鳥肉価格の下落、所得水準の向上、都市化の進展、宗教戒律による食事制限等があることを明らかにした。
背景・ねらい 近年、NIESを中心にアジアのいくつかの国において、急速な経済発展と所得水準の向上に伴い、食肉消費量が急増している。アジア諸国における食肉消費の動向を考察するに当たり、人種・宗教の多様性を考慮する必要がある。本研究の目的は、複合人種国家のマレーシアの食肉消費の動向、中でも急速に消費量を増加させている鳥肉の消費動向について分析することである。
成果の内容・特徴
  1. マレーシアの一人当たり年間食肉消費量は、1960-62年11.6kg、1970-72年14.6kg、1980-82年23.3kg、1990年34.0kgと、1970年以降急速に増加している。中でも鳥肉の消費拡大が顕著であり、年間消費量は1960-62年4.3kg/人から1990年20.2kg/人に急増している。
  2. 鳥肉消費拡大の社会的要因として、宗教戒律による食事制限が考えられる。最大多数派のマレー人はイスラム教徒であることから、豚肉の摂取を厳禁されている。さらにヒンズー教徒のインド人は牛肉の摂取を禁止されている。このため、人種・宗教に関係なく消費されているのは、主に鳥肉である。
  3. 鳥肉消費拡大の経済要因としては、以下の諸点があろう(表中の(3)式の結果を参照)。
    ア 鳥肉の実質小売価格の下落により、豚肉や牛肉と比較して割安感が高まったこと。
    イ 急速な経済発展により、所得水準が大幅に向上したこと。
    ウ 経済発展に伴い農村から都市への大規模な人口移動が起こり、食の洋風化が進展したこと。
成果の活用面・留意点 本研究が対象とした地域は、半島マレーシア(西マレーシア)のみであり、東マレーシア(サバ、サラワク州)には言及していない。
(表1)
図表1 228335-1.gif
カテゴリ 消費拡大

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