協同組合金融の基盤変化と今後の課題

タイトル 協同組合金融の基盤変化と今後の課題
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 1980年代に入って以降、我が国農業の不振と金融市場の再編のなかで農協金融は不振に見舞われ、農協経営が悪化している。抜本的な対策のためには、現在進められている農協組織の再編は、今後の農協のあり方を踏まえて考慮される必要がある。
背景・ねらい 1980年代に入って以降、我が国農業の長期的な不振と金融市場の構造的な変化の影響
を受けて、農協金融は農業貸付に加えて余裕金の運用面でも大幅な不振に陥り、とくに9
0年代に入ってからは農協経営も急速に悪化している。本研究は、近年の農協金融の不振
の背景、当面する問題についてその事業・組織基盤の変化を踏まえて明らかにし、今後の
系統金融のあり方を考える上での課題を整理することを目的としている。
成果の内容・特徴
  1. 農協金融=信用事業は、70年代までは、農家の旺盛な資金需要と安定かつ高率の余裕金
    運用によって、農業、農家の振興に積極的に寄与するとともに、信用事業の黒字が経済事
    業の赤字を支えるなど、農協経営を基本的に支えてきた。
  2. しかし、80年代以降、農協金融は農業貸出の不振に加えて、金融市場の構造変化による
    余裕金運用収益の低下、さらには専業的農家の固定化負債問題や金融自由化への対応を迫
    られるなど極めて重大な局面にある。このため、90年代に入って以降、信用事業の収益
    では農協経営を支えきれず、経営の悪化した農協が急速に増加している
    (表-1、2)。
  3. このため、農協系統組織は、組織基盤と事業基盤の大幅な見直しを迫られており、農協の
    広域合併推進と系統三段階の二段階化などの対策を講じている。しかし、これらが抜本的
    な対策となるためには、今後の農協のあり方を十分に検討し、信用事業と経済事業等他の
    事業との関係(区分経理など)、系統金融機関における農林中金の機能、金融市場での新
    たな位置づけなど、金融自由化時代の実態に即応したあり方について、ヨーロッパで先進
    的な事例(例えば、フランスのクレディアグリコール、ドイツの協同組合金融)などの事
    例を参考に改めて考慮することが必要と思われる。
成果の活用面・留意点 本研究は、近年の住専問題などへの深い関わりによって、そのあり方が問われている農協
系統金融あるいは機関の今後を考える上で必要と思われる基礎的知見を提供し、議論を喚
起することを目指したものである。
図表1 228375-1.gif
カテゴリ 経営管理

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