ネパール山間地における森林資源の農民管理

タイトル ネパール山間地における森林資源の農民管理
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 ネパール山間地での現地調査に基づき、森林資源の希少化に対応した農民集団による自発的な森林利用規制が生じつつあること、農業生産の集約化により家畜飼養頭数が減少しており森林資源への依存が減少していること、を明らかにした。
背景・ねらい ネパールの山間地においては,人口の増加の結果,森林資源利用が増大し森林資源の希少
化が起こっている。同地域の農民にとって,森林資源は農業生産にも日常生活にも欠かせ
ない必需品であり,森林資源が枯渇していくことは農民の生存を脅かす。本研究は,森林
資源の希少化に直面した農民の対応を現地調査によって明らかにし,その問題点を指摘す
るとともに今後の研究課題を整理した。
成果の内容・特徴
  1. 農民による森林の利用と農業生産の関係は(図1)のよ
    うに要約できる。
  2. 調査の結果は以下の2点に集約できる。(1)森林資源の希少化に対応した農民集団によ
    る自発的な森林利用規制が生じつつある。(2)農業生産が集約化しており、家畜飼養頭
    数も減少するなど,森林資源への依存は全般的に減少する傾向がある。
  3. ネパールの今後の経済発展により、林産物や農業投入物の市場流通が今以上に発達するこ
    とが予想される。そのような環境において(1)農民による自発的な森林管理組織をいか
    に維持するか、(2)森林の私的所有化の要求をどのように実現し、私有化を通じた森林
    管理をいかに実施するか、(3)上記2点のためにどのような法制度の整備が必要である
    か、の3点が今後の調査・研究の課題である。
  4. ネパールでは、農民集団参加型の森林保護政策がいまだに政策の中心的課題であり、調査
    ・研究もその観点からなされてきた。しかし本研究では、私有林の振興環境の整備を指摘
    した点が従来と異なり新しい。
成果の活用面・留意点 研究課題の整理が本研究の第一の目的である。そのため今回の現地調査では、経営形態や
利用形態の異なる森林を意図的に選択し、その比較により上記の結論を得た。結果の解釈
には、その点の配慮が必要である。
図表1 228396-1.gif
カテゴリ 経営管理

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