近年における小麦の生産動向に関する統計分析

タイトル 近年における小麦の生産動向に関する統計分析
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1995~2000
研究担当者
発行年度 1996
要約 北海道の畑作地帯にとっての小麦の実質的な生産者価格は平成3年以降改善しつつあること、それにもかかわらず当該地域の小麦生産が減少しているのは、平成3年頃をピークとする過作傾向が改善されているためであることを明らかにした。
背景・ねらい 輪作体系の中で運営され、かつ近年そのウエートを高めた北海道畑作地帯における小麦生
産は、平成元年以降減少傾向にある。一方で最近の生産者実質手取り価格にかかわる制度
変更は北海道の畑作小麦にとって有利に展開しているにもかかわらず、系統による指標面
積が達成されない傾向にある。実質手取り価格の動向および収益性と生産動向との関連を
明らかにする必要がある。
成果の内容・特徴
  1. 北海道の畑作地帯における小麦生産はいまやわが国小麦生産を支える有望な担い手となっ
    ている。
  2. わが国の代表的な小麦の政府買い入れ価格は、昭和61~平成3年間に引き下げられ以降は
    据え置きとなっているが、銘柄区分の変更や県間移送費の生産者負担等に関する制度変更
    を考慮した実質的な生産者価格の動向は地域により異なる。これを北海道の畑作地帯につ
    いてみると、現状の生産者価格は平成3年頃に比較すると5%前後改善され、生産水準が
    ピークとなった平成元年と比較しても遜色のないことが明らかとなった。
  3. 北海道の畑作による小麦作付面積は平成元~7、8年にかけて2割程度減少している。生
    産費構造からみて依然として高い収益性を維持していることから、小麦作付の減少は、上
    の価格動向との対比から判断される通常の供給反応では説明できない。
  4. 北海道の畑作地帯の47市町村に関して、小麦の作付比率をセンサスデータを用いて推計し
    たところ、1985~90年にかけて多くの市町村でそれが合理的な輪作体系を逸脱するほどに
    高まり、90~95年にかけてはこの過作傾向がかなり改善されていることが明らかになった
    。これは、近年における単収の頭打ち状況とも符合するものであり、小麦作付の減少をも
    たらした要因であると考えられる。
    (図1)
成果の活用面・留意点 本研究で明らかとなった通常の価格反応としては理解し難い北海道の畑作地帯の小麦作付
動向の分析は、輪作体系の中での作物生産動向を予測することの困難性の一端を示している
。連作障害の発生など現場の状況が絶えず広範に把握されることが望まれる。
図表1 228398-1.gif
カテゴリ 小麦 輪作体系 連作障害

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