農協の合併による組織拡大過程と現在の課題

タイトル 農協の合併による組織拡大過程と現在の課題
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1994~1996
研究担当者
発行年度 1996
要約 農協合併は長い歴史の中で、組織規模の目標が行政区域から最近の経済圏・組合員数・事業量本位へと転換され、広域化と系統二段階制を展望するに至ったが、複数の自治体行政の調整や合併構想からの脱落農協の問題等の課題も抱えている。
背景・ねらい 農協合併は、1961年の農協合併助成法制定からでも、既に1/3世紀にわたって進展してきたが、合併の過程は同法以前から引き続くものである。最近の広域合併の急増は、系統組織の再編と連動するもので、農協の規模拡大が新たな段階に到達したことを意味する。本研究では、日本の農村(農業)協同組合の発達史を組織規模と行政区域の関連という視点から整理し、現在の広域合併の画期性と問題点を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 初期の農村産業組合は、明治中期の市町村合併以前の旧町村を区域として設立されたが、大正後半期からは統合拡大の政策が系統三段階制の整備とともに進められ、昭和戦時期に1町村1組合体制が成立した。戦後農協の組織区域は、1953年からの市町村合併の進行により、行政区域未満のものが主となったが、1961年の農協合併助成法の制定とその後の同法の延長によって、行政区域との一致を目指す合併が急速に進展した。
  2. 1970年代には、行政区域を越える広域農協合併を目指す県と、行政区域規模の農協合併すら進捗しない県との差が明確になり、70年代後半から全体的に合併の進行はペースダウンした。
  3. 1980年代後半からは、金融自由化対応を主な要因として、全国1,000農協構想が打ち出され、広域合併が急速に進行してきている。農協合併の方針は、従来の行政区域本位から経済圏・組合員数・事業量本位へと転換し、系統二段階制への移行を準備することになった。これによって農協と地方行政との関係において、複数自治体行政の調整という新たな問題が生じている。また、広域合併構想から脱落する農協もしばしば見られることが、合併効果の発現に障害となっている。
成果の活用面・留意点 農協の組織規模が、1県1農協構想を究極点としながら、どこまで拡大できるかについて理論的に検討することが課題として残されている。
図表1 228399-1.gif
図表2 228399-2.gif
カテゴリ 規模拡大

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