農協の地域金融と組織運営体制問題

タイトル 農協の地域金融と組織運営体制問題
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1996~1998
研究担当者
発行年度 1996
要約 金融自由化の一環として行われた我が国金融制度の改正(1992年度)、すなわち業務の自由化において、農協は地域金融機関として位置付けられたが、今後、地域に開かれた金融機関として活動するには、組織・運営体制の大幅な見直しが必要である。
背景・ねらい 我が国の金融自由化対策の一環として1992年度に行われた「金融業務の自由化」にお
いて、農協は新たに地域金融機関として位置付けられた。このことは、農協がこれまで以
上に地域住民等のための金融に積極的に取り組むことを期待されるようになったことを意
味する。本研究では、農協の地域金融への取組みと実績、およびその取り組み姿勢を規定
する組織運営体制の持つ問題を明らかにし、農協の金融機関としての今後のあり方につい
て考える際の基礎的な知見を提供することを目的としている。
成果の内容・特徴
  1. 農協の地域金融の実績をみると、小口金融の面では他の金融機関に比べてほとんど遜色は
    ないが、今日の農村における地域社会開発に関してとくに重要と考えられる、農業法人の
    育成、地場産業の育成、第3セクターの育成・維持、地域開発プロジェクトへの参加およ
    び高齢者福祉対策に関して、融資体制の未整備などの取り組みの遅れが指摘できる。
  2. 地域社会開発金融への取り組みの遅れは、農協の姿勢が必ずしも積極的でないことと裏腹
    である。この点に関しては、一つは、農家も専業的農家と非専業的農家に分化し、さらに
    組合員の4割が非農家組合員=准組合員となるなど組合員の多様化していること、二つに
    は、それにも関わらず、農協が実質的に「むら」をベースに組織され、農協としての意思
    決定に「むら」が介在しているため、地域の組合員ニーズ・意思が十分に組合運営に反映
    されてこなかったこと、などが問題と考えられる。
  3. 今後の課題としては、現行の組織運営体制の見直し、例えば、農協と「むら」の関係のあ
    り方の見直しなどにより、組合員のニーズ・意思を出来るだけ的確に反映しうる体制の構
    築・整備、が重要と考えられる。
    (表1)
    (表2)
    (表3)
成果の活用面・留意点 本研究は、大蔵省の付属機関である金融制度調査会で示された「地域金融」の概念を切り
口に、農協金融の実態と問題を分析し、農協の金融機関としての今後のあり方を考える際
の基礎的知見を提供するものである。
図表1 228401-1.gif
図表2 228401-2.gif
図表3 228401-3.gif
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