米国の生産者拠出の牛乳広告事業の不完全競争モデルによる評価

タイトル 米国の生産者拠出の牛乳広告事業の不完全競争モデルによる評価
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1997~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 米国の生乳市場の不完全競争の程度を考慮した計量モデルにより、生産者の拠出金による牛乳広告事業の効果を評価した結果、従来の不完全競争を考慮しないモデルによる計測では、飲用乳価への効果が過小に、加工原料乳価への効果が過大に評価される可能性を示した。
背景・ねらい 生産者が農産物の販売代金の一部を拠出し、政府の助成金と合わせてノンブランドの販売促
進事業を行うことは、各国で一般的にみられる重要な政策であり、生産者にとっても政府に
とっても拠出した資金が有効に使われたかどうかの評価もまた非常に重要である。特に、事
業の効果を計測し、毎年議会への報告が義務づけられている米国の牛乳広告事業については
、評価手法の精緻化が求められている。本研究では、同質の生乳において飲用乳価が加工原
料乳価より高いという生乳市場の不完全競争性を考慮した計量モデルによる米国の牛乳広告
事業の効果の計測が、それを考慮しない従来のモデルによる評価をどのように改善できるか
を示すことをねらいとしている。
成果の内容・特徴
  1. 従来の米国のモデルは飲用乳価と加工原料乳価の格差を一定と仮定するだけで、相対的に販
    売量の減少率より価格の上昇率が大きい飲用乳への仕向が抑制されるという不完全競争のメ
    カニズムが組み込まれていなかったので、不完全競争の程度を示すパラメータを導入するこ
    とによって米国の牛乳広告事業評価のための新しい計量モデルを開発した。
  2. 新しい不完全競争モデルが米国のノンブランドの牛乳広告事業の効果の評価をどのように改
    善するかを明らかにするため、表1のように、1976~95
    年の間の飲用乳広告事業費を実績値より50%増加させた場合を、不完全競争モデルと従来の
    乳価格差固定モデルの両方によってシミュレーションし、その結果を比較した。
  3. これをみると、飲用乳広告費増加によって飲用乳価の上昇と飲用仕向の増加がみられ、その
    分加工仕向が減少し、加工原料乳価が上昇するという効果が両方のモデルで示されている。
    この場合、不完全競争モデルの方が飲用乳価の上昇は大きく、飲用仕向の増加は小さく、そ
    のため、加工仕向の減少は小さく、加工原料乳価の上昇は小さいという違いがある。これは
    、新しいモデルでは、不完全競争性の存在によって飲用仕向が抑制され、飲用乳広告の効果
    が飲用乳価の上昇の方により大きく反映されるからである。
成果の活用面・留意点 生乳市場の不完全競争モデルの実用化により牛乳広告事業の効果の評価手法が改善されるこ
とが期待される。
図表1 228407-1.gif
カテゴリ 加工

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