世界米小麦需給モデルによる地球温暖化の影響予測

タイトル 世界米小麦需給モデルによる地球温暖化の影響予測
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1996~1997
研究担当者
発行年度 1997
要約 世界米小麦需給モデルをIPCC評価シナリオの下で動かすことによって、地球温暖化の国際米小麦需給への影響予測を行った。地球温暖化の影響は、米に比べて半乾燥地域での栽培も多い小麦で大きく、人口大国の中国の米やインドの小麦の輸入量を増加させ、国際価格を上昇させる可能性がある。
背景・ねらい 地球温暖化は、人類の経済活動の拡大に伴って、二酸化炭素、メタン、亜酸化窒素、フロン等の
温室効果ガスの排出量が増加し、大気中のこれら温室効果ガスが地表から放射される赤外線を吸
収して、地表面の温度を上昇させる現象である。本研究では、この地球温暖化の国際米小麦需給へ
の影響を評価するために、世界米小麦需給モデルを開発し、これを1995年のIPCC評価シナリオの下
で動かすことによって、その影響予測を行った。
成果の内容・特徴
  1. IPCCの評価シナリオに基づいて悲観的ケース(ケース1)と楽観的ケース(ケース2)に分けて影
    響予測を行った結果、2020年時点ではベースライン(地球温暖化の影響を考慮しない基準ケース)に
    比べて、米については国際価格が+17~-11%、小麦については+56~-15%の幅で変化することが
    予測された。
  2. 地球温暖化の国際需給への影響は、一般的に灌漑下での栽培が多い米に比べて、半乾燥地域での栽培
    も多い小麦での影響が大きいことが予測された。 
  3. 地球温暖化の影響は、農産物市場の需給調整機能によってかなり緩和されるが、地域によっては、例え
    ば中国の米やインドの小麦のように、その需給ギャップが拡大して輸入量がかなり増加する地域も予
    想される。アフリカのように、現在でも多くの飢餓人口を抱え、慢性的な外貨不足に悩んでいる地域では、
    地球温暖化が食糧安全保障を脅かす1つの重要な要因となる可能性がある。
    (表1)(図1) (図2,3)
成果の活用面・留意点 今回予測に用いたIPCC評価シナリオは、これまでのこの分野の研究レビューに基づいており、地域に
よっては研究蓄積の乏しいところもあり、シナリオに組み込めなかったところもある。
図表1 228427-1.gif
図表2 228427-2.gif
図表3 228427-3.gif
カテゴリ 乾燥 小麦

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