米小売業の事業展開を規定する業者属性

タイトル 米小売業の事業展開を規定する業者属性
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 米小売業の今後の事業展開に関する意向調査結果にCHAID分析を適用することにより,業者間の意向の差異をみる上で,店舗数,仕入業者数などの業者属性が重要であることや,スーパーの業態分類による今後の事業展開に関する意向差は小さいことを指摘した。
背景・ねらい 食糧法の下で米小売業の形態は多様化していると考えられるが,同一の形態においても規
模や店舗数など小売業の属性により,今後の事業展開に関する意向も多様であることが予
想される。そこで,今後の米小売流通の動向を検討する際に,小売業者のどのような属性
に注目することにより,それらの動きをより的確に把握することができるかを,CHAID分
style="padding-left: -10px">を用いて検討した。
* CHAID(CHi-squared Automatic Interaction Detector)分析は
基準変数(意向調査における各設問の回答 カテゴリー)の違いが最も大きくなるように
母集団を分割する方法であり,基準変数が数量の場合に逐次 2分割により分析が進めら
れる従来のAID分析を,基準変数にカテゴリーを用いることを可能とし,任意 のカテゴ
リーの分割ができるようG.V.Kassによって拡張された手法である。
成果の内容・特徴 小売業者の販売動向及び米穀専門店とスーパーの今後の仕入・販売活動や今後の事業展開に
おける意向を基準変数とし,(1)小売業の形態,(2)店舗数,(3)販売エリア,(4)仕入業者
数,(5)年間販売数量,(6)精米仕入比率,(7)家庭用販売比率を説明変数としたCHAID分析
を行った。
  1. 食糧法施行後の米販売数量の変化を説明する小売属性として形態が最も重要であるが,
    各形態の中の動向を詳細に検討するためには,さらに属性を組み合わせてみることが有効で
    ある(図1)。
  2. 今後の仕入・販売活動(仕入業者や仕入業者数の変化,商品数や種類の変化等)や事業
    展開(商品戦略や生産者・消費者との交流など回答の多かった項目)に関する意向の業者間
    の差異を説明する重要な小売属性は,米穀専門店では仕入業者数,スーパーでは店舗数と仕
    入業者数であり,米穀専門店では仕入業者数の多い階層を中心に仕入先や品揃えなどに積極
    的な対応がみられ,スーパーでは多店舗層での商品戦略面の共通性がみられるなど,形態内
    における今後の事業展開面での分化傾向がみられる。
  3. 食品スーパーと総合スーパーでは,商品戦略において異なる動きもみられるが,その他
    の今後の仕入・販売活動や事業展開に関する意向では,業態による差異は小さい。
成果の活用面・留意点 CHAID分析では,母集団を逐次分割する過程で,最も統計的に有意な説明変数が選択される。
したがって,有意水準の大きく異ならない説明変数がある場合には,その選択結果の検討も
必要である。
図表1 228431-1.gif
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