米の業務用需要の動向と今後の見通し

タイトル 米の業務用需要の動向と今後の見通し
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1997~1998
研究担当者
発行年度 1998
要約 今後の米の業務用需要の増加は,多店舗組織,弁当製造企業等によって支えられる。多店舗組織では単一産地品種銘柄米や有機栽培米の仕入増加への意向が強いが,実際の推移は価格関係如何による。仕入価格は主に仕入規模と原料構成に依存するが,ブレンド米は必ずしも低価格ではなく,一定の評価を得ているものもある。
背景・ねらい 我が国における米の消費量は,食生活の多様化を背景として減少傾向にあるが,食の外部化,
サービス化の一般的傾向を反映して外食による米消費量は増加傾向にあり,この傾向は今後と
も継続するとみられる。このため,平成9年10月に実施した飲食店・外食企業に対するアン
ケート調査(2,461の店舗・企業を対象,有効回答は634,回収率25.8%)の結果に基づき,
業務用米の需要・流通の動向と見通しを明らかにする。これは,今後,米の流通業者,出荷業
者,生産者等全ての関係者が対応を検討する上で不可欠の要素である。
成果の内容・特徴
  1. 今後の米の業務用需要の増加は,外食チェーン等の多店舗組織や弁当製造のような仕入規模の
    大きな企業における仕入れの増加によって一層支えられることになると見通される
    (表1)。これらの企業が全体の動向に及ぼす影響は大
    きい。 

  2. 多店舗組織の本社・本部は,今後,単一産地品種銘柄米や有機栽培米等の特色のある米の仕入
    れを増やそうとする意向が強い(表2)。しかしながら,
    仕入規模が大きくなると仕入価格に対する要求が強くなり,これらの米がどの程度増加するか
    は,米全体の価格動向,有機栽培米とその他の米の価格関係等に依存する。
  3. 多店舗組織の本社・本部など仕入規模の大きい企業は,米穀店から米穀卸売業者へ仕入先の重
    点を移そうとする意向が強い(表3)。
  4. 精米の仕入価格は,精米の仕入規模と原料構成に大きく依存する。原料構成については,必ず
    しも単一産地品種銘柄米だからといって主要構成品種のあるブレンド米より価格が高いとは限
    らない。産地や品種ごとに大きく異なる(表4)。
成果の活用面・留意点 調査時点において,米の需給が大幅に緩和し,価格が低下傾向にあったこと,平成9年10月
以降の急激な景気後退以前の状況であったことが,アンケートにおける今後の見通しに関する
回答に影響を与えているとみられる。
図表1 228433-1.gif
図表2 228433-2.gif
図表3 228433-3.gif
図表4 228433-4.gif
カテゴリ 有機栽培 出荷調整 品種

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