タイトル |
中山間地域における野菜作の展開と産地支援策 |
担当機関 |
農業総合研究所 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
中山間地域における野菜作の展開は,広域流通が進展する中で平坦地との競合が強まり,停滞・後退する地域の一方で,特定少数の産地での発展的な動きがみられる。発展的な産地においては,農地造成・雨よけ栽培技術等の産地支援策による野菜作の展開が農家世帯員の定住化へ寄与している。
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背景・ねらい |
耕地面積が狭小な農業経営が多く存在する中山間地域において,集約的農業の展開が可能と 目される野菜等園芸作部門の農業生産振興とそれを通じた農家世帯員の定住化への期待は大 きい。野菜作を対象に,かかる可能性を検討することが,本研究の課題である。
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成果の内容・特徴 |
- 中山間地域における野菜作の展開は,低地と比較して夏季の生産に比較優位を持つ。このう
ち,レタス,ハクサイ等の高冷地型野菜については,それらが展開できる適地が限られてお り,主産地を中心に強固な生産基盤が維持されている。これに対して,果菜類やホウレンソ ウなどの準高冷地型野菜の場合は,産地移動が激しくかつ東北の平場等との生産競合が深化 しつつある(表1)。中山間地域のかなりの部分は,準 高冷地に属しており,そこでの野菜作の展開には,多くを期待することはできない。
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しかしながら,中山間地域の中でも総じて農業生産の展開がはかばかしくない山間地域の一 部でも,準高冷地型野菜作の展開によって産地拡大の動きが確認される。事例として検討し た岐阜県飛騨地域のトマト,ホウレンソウ産地では,農地造成,雨よけ栽培技術の開発・導 入,購入苗への転換,収穫後の集荷場における機械選果の導入等の一連の産地支援策があい まって,一旦伸び悩みをみせた産地が近年,再び拡大基調へと転じている (図1)。産地振興上での産地支援策の重要性が指摘 される。
- 事例地域では野菜作の広範な普及が農業所得を増加させ,このことによって,農家数及び農
家世帯員は比較的維持されている(図2)。しかしなが ら,こうした点でも野菜生産の中核産地をかかえる地区と外縁産地との格差は大きい。外縁 部の産地は,地域の中でも農業条件が恵まれていないことに加え,都市的地域からの距離も 遠い。
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成果の活用面・留意点 |
事例地域における定住化促進に向けて,農業生産条件を補正する施策に加え,農外就業確保 を含めた地域産業振興が必要であることが示唆される。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
経営管理
栽培技術
中山間地域
トマト
はくさい
ほうれんそう
レタス
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