タイトル |
1997年のロシア農業−天候に左右される穀物生産− |
担当機関 |
農業総合研究所 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ロシアの農業生産は,依然として気象条件に大きく左右され,不安定な状態にある。このため,ロシアは,国際農産物市場における大きな不確定要因となっており,今後の動向に今まで以上に注意を払う必要がある。
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背景・ねらい |
ロシアは,依然として国際農産物市場に大きな影響力を保持しおり,ロシア農業およびそ の農業政策の動向には十分な注意を払う必要がある。
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成果の内容・特徴 |
- 1997年のロシアのGDPは,0.4%という小幅ながら経済改革開始から初めて前年を上回った
。また,農業生産額も前年比で0.1%の増加を記録した(図1)。だが,投資の減少,賃金の未払いが拡大しており,経済の今後の状況につ いては,未だ予断を許さない。
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穀物生産は,1996年の6930万トンから,1997年には8850万トンへと大幅な増産を達成した (表1)。これは,粗放的な農業が行われ天候によっ て大きな影響を受ける沿ヴォルガ経済地区・ウラル経済地区での増産の結果である。一方 で,集約的な農業が行われ高く安定した収穫の見込まれる北カフカース経済地区では,生 産の低落傾向が現れている。このため,1997年の増産はもっぱら良好な天候条件がもたら したものであり,ロシアの穀物生産が今後も回復を続けるとは断言できない。
- 畜産分野では,家畜頭数・畜産物生産量は,引き続き低下している。だが,酪農や養鶏部門
においては生産性の向上が観察されており,畜産復興への基盤が築かれつつある。
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成果の活用面・留意点 |
1997年のロシア農業生産は,経済改革開始以来,初めて前年を上回った。しかし,この最 大の要因は,気象条件に恵まれたことであり,今後の動向については予断を許さない。
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図表1 |
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カテゴリ |
鶏
乳牛
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