米需給を考慮した稲作生産構造の展望

タイトル 米需給を考慮した稲作生産構造の展望
担当機関 農業総合研究所
研究期間 1999~2000
研究担当者
発行年度 1999
要約 稲作生産構造は米需給の動向に依存する。米消費量の減少が大幅に鈍化する場合,趨勢で推移する場合に比べて規模拡大の可能性は一層高まり,作付面積5ha以上の階層の作付面積割合は2015年には22%となる。
背景・ねらい 我が国の米生産は,関税化と市場原理の導入のもとで一層の体質強化が求められており,大規模稲作農家の動向は重要な要素の一つである。本研究では,過去の構造変化が今後も続くと仮定した場合の稲作生産構造を展望することにより,この課題に接近する
成果の内容・特徴
  1. 1995年及び1990年農業センサスの水稲作付(収穫)面積規模別の相関表に基づく90-95年及び85-90年の推移確率により将来の稲作生産構造を展望する。
  2. 5年間に作付面積が増加した90-95年の推移確率を用いて展望すると,5ha以上の農家の作付面積割合は大幅に増加する(図2)が,同時に作付面積も大幅に拡大する(図1)。この方法による場合,米の消費量の減少傾向と整合せず,規模拡大が過大に推計される。
  3. このため,90-95年の推移確率と,作付面積が減少した85-90年の推移確率の加重平均確率により将来の展望を行う。加重平均ウェイトは,毎期ごとに,作付規模階層ごとの作付面積の合計が外生的に与えられた作付面積と一致するように定める。
  4. 作付面積については,消費量の減少傾向の大幅な鈍化を見込む場合(ケースⅠ)と消費量が趨勢の場合(ケースⅡ)の二つのケースを設定する。米消費量の減少が緩やかなほど規模拡大の可能性は高まり,2015年の5ha以上の農家の作付面積割合は,ケースⅠの場合全国で22%(1995年12%),都府県で15%(同6%),ケースⅡの場合全国で20%,都府県で13%となる(図3)。
  5. 地域別にみると,既にある程度の割合に達している主産地の東北・北陸での伸びに比較して,関東東山・東海・近畿・九州では大幅な伸びとなる(図3)。東海での大幅な伸びは,85-90年及び90-95年の双方において,3~5haの階層から5ha以上層への移動率が他地域に比べて極めて高かったことによる。
成果の活用面・留意点 稲作生産構造の展望は今後の米需給見通しの影響を受けること,また,本成果の展望は過去10年間の構造変化が変わらないとの前提に立っていることに留意する必要がある。
図表1 228454-1.gif
図表2 228454-2.gif
図表3 228454-3.gif
カテゴリ 規模拡大 水稲

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