パネル分析手法を適用した計量経済モデルによる農地面積の予測

タイトル パネル分析手法を適用した計量経済モデルによる農地面積の予測
担当機関 農業総合研究所
研究期間 2000~2002
研究担当者
発行年度 2000
要約  パネル分析手法を適用し,農地変動の地域性と農村の社会経済変動要因の影響を取り入れた農地変動予測モデルを開発した。その結果,2015年の農地面積は,想定した地域経済および農産物価格の動向の下では4,200~4,308千haの間で推移すると予測され,耕作放棄発生率の高い中国・四国での農地減少率は30~38%に達した。
背景・ねらい 農地面積の将来予測は地域資源利活用推進を通じた農村活性化施策を企画・立案する際の基礎的知見として重要である。そこで、本研究では農村を取り巻く社会経済変動要因の影響を取り入れた農地変動予測モデルを開発し、地域毎の農地面積の動向予測を試みた。
成果の内容・特徴
  1. モデルは、地域毎の属性効果を農地変動の決定構造方程式に取り入れる際に、大量のデータとそこから得られる情報量の活用に効率的・効果的なパネル分析手法を採用した。モデルの構造は2段階からなり、第1段階で年間の農地の農外転用面積と耕作放棄面積を決定し、第2段階で田畑面積を決定する(図1)。
  2. 農地面積の将来予測には、過去20年間についての農外転用面積に影響する地域経済状態と耕作放棄面積に影響する農産物価格の回帰分析結果のトレンドを考慮し、次の4つのシナリオを設定した。シナリオ1:地域経済と農産物価格が堅調、シナリオ2:地域経済と農産物価格が低迷、シナリオ3:地域経済堅調で農産物価格低迷、シナリオ4:地域経済低迷で農産物価格堅調、である。なお、地域経済が堅調は、農外所得が年平均増加率1.7%、低迷は0.15%で推移、農産物価格が堅調は、米麦の価格が96年水準維持で野菜と果実価格が年平均増加率1.7%、低迷は、米麦は年平均2%の低下で野菜と果実価格は0.95%の増加率で推移することを想定した。
  3. 各シナリオによる予測の結果、2015年の総農地面積は4,200~4,308千haの間で推移すると予測された(表1)。地域ブロック別には、耕作放棄地発生率が高い中国、四国において、農地面積減少率も30~38%と高くなる傾向を明らかにした(表2)。
成果の活用面・留意点 総農地面積の予測結果に大きな支障を与えるわけではないが、毎年の耕作放棄地発生面積を決定する構造方程式には改良の余地が残されている。
図表1 228479-1.gif
図表2 228479-2.gif
図表3 228479-3.gif
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