傾斜地カンキツ園における園内作業道の簡易造成法

タイトル 傾斜地カンキツ園における園内作業道の簡易造成法
担当機関 四国農業試験場
研究期間 1993~1997
研究担当者 岡崎紘一郎
宮崎昌宏
長崎裕司
発行年度 1993
要約 傾斜地カンキツ園に小型機械を導入するために、機械が安定走行できるように、砂利や砂等の骨剤を使用しないで原土にセメント及び土壌凝固剤を混和する簡易な土質安定処理により、樹列に沿って最低幅 80cmの園内作業道ができる。
背景・ねらい 傾斜地カンキツ園の半数は15度以上の急傾斜地で栽培されている。傾斜地は高品質果実生産に有利な条件であるが、現状の園地は作業道が未整備で、区画は狭く不整形で、かつ密植栽培されているため、モノレールやごく一部の防除機を除くと機械の導入が困難である。このため、入力による作業が中心となって著しい労働過重となっている。そこで、作業負担を軽減し、園内作業の改善合理化を図るため機械を導入できる園内作業道の簡易造成法を開発した。
成果の内容・特徴
  1. 既成園の実態ならびに、小型機械走行性からみて、園内作業道の幅は最低
    80cmが良い。防除機他の作業性から、作業道は樹体
    1ないし2列おきに等高線方向に約
    5~10m間隔(路線密度
    200~100m/10a)に配置し、さらに、基幹農道と連絡する国内連絡道を傾斜上下方向に約
    50m間隔(踏線密度20m/10a)で配置する(図
1、
2)。なお、作業道の断面は山側を少し低くして排水路と兼ねると、降雨による土壌侵食を防ぐことができる(
図3)。
  • 園内作業道は土質安定処理が必要であり、西日本地域の園地土壌の粒度分析およびセメントなどの配合割合による強度試験から、圧縮強度
    1MPa(10kgf/cm2)以上の安定強度が得られるのは、現場の土に対してセメントを
    13%、土壌凝固剤を0.3%を混和する。
  • 園内作業道の造成手順は、 ミニバックホーによる粗整地、中耕管理機による耕起(深さ
    10cm)、歩行型散布機によるセメント散布、中耕管理機による攪拌、水に溶いた土壌凝固剤を散布、散水、中耕管理機による攪拌、表面の均平であり、転圧は不要である(図
4)。なお、雑草および大きな石は排除する。
  • 道路の造成に要する時間は5時間
    /100m、セメントおよび土壌凝固剤の費用は
    7.2万円/100mである(表
1)。
成果の活用面・留意点 土質安定処理をした園内作業道を造成することにより、園地に小型機械が導入され、雑草抑制および排水に効果がある。土壌凝固剤は土壌との混和を十分に行う。
  
図表1 228560-1.jpg
図表2 228560-2.jpg
図表3 228560-3.jpg
図表4 228560-4.jpg
図表5 228560-5.jpg
カテゴリ 病害虫 傾斜地 雑草 防除 その他のかんきつ

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