タイトル |
高畝2条植えニンジン用播種・間引き・追肥機 |
担当機関 |
四国農業試験場 |
研究期間 |
1993~1995 |
研究担当者 |
岡崎紘一郎
宮崎昌宏
長崎裕司
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発行年度 |
1993 |
要約 |
畝高さ40cm、畝中心間距離 90cmの畝間に入り、 2条播き播種ユニット、 2条用一次間引きユニット、畝の両肩に同時追肥できる側条追肥ユニットを搭載して走行できる改造動力付野菜運搬車による、エンジン用播種・間引き・追肥機を開発した。
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背景・ねらい |
金時ニンジン(東洋ニンジン)は、高畝2条植えの作付が現地て広く行われているが、条間 8cm、畝上の幅が20cm、畝高さ 40cm、畝中心間距離90cm、溝幅 15cmという条件において、播種・間引き・追肥作業の大部分が人力作業で行われており、作業姿勢の悪さに加え夏期の作業であるため重労働である。そこで、高畝にも対応できる動力付野菜運搬車を改造し、それに搭載可能な高畝 2条植えに対応したエンジン用播種・一次間引き・側条追肥ユニットを開発した。
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成果の内容・特徴 |
- 開発機(表1)は、基幹となる動力付野菜運搬車に播種・一次間引き・側条追肥の各ユニットを搭載し、それぞれの用途に応じて容易に着脱して使用できる汎用機であり、各作業を
1~2h/10aの能率で行える。動力付野菜運搬車は、大きさが 1m四方、質量が66kg、荷台までの高さが 60cmの小型機であり、車体前方中央部に各ユニットが取り付けられるよう 60cm四方の空間を設けている(図1)。 - 播種ユニットは、人力播種機を改造し平行リンク(左右可動)とけん引棒(上下可動)で懸架している。このため畝に常に垂直な姿勢で播種でき、畝の多少の蛇行・凹凸に対しても駆動輪と鎮圧輪で畝上を畝に沿って走行し、ほぼ一定の深さに播種できる(図2)。
- 一次間引きユニットは、走行用エンジンからの出力で間引き爪を畝方向に直角に高速回転させ、一定間隔の間引き(一次間引き)作業を行う。この間引き爪の回転形状を、
17cm程度の水平移動距離を有した楕円形状にすることで、 8cm間隔に条播されたニンジンを 2条同時に間引ける。また、高さ調節に送りネジ機構を採用することで、作業しながら畝の凹凸に合わせ高さの調節ができ、精度良い間引き作業が行える(図3)。 - 側条追肥ユニットは、ゲージホイルによリ一定深度に作用するようにしたダブルディスクで作溝した溝に、肥料繰出装置で走行速度に応じて一定量の肥料を落とし、最後に土寄せ円板・ゴム板で覆土することで、作溝・追肥・覆土の作業を
1工程でできる(図4)。
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成果の活用面・留意点 |
一次間引きユニットは、本葉2~ 3枚(地上部長さ8~ 10cm)の頃に使用する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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図表5 |
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カテゴリ |
肥料
にんじん
播種
汎用機
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