タイトル |
温州みかんの細根増加に有効な土壌管理技術 |
担当機関 |
四国農業試験場 |
研究期間 |
1995~1997 |
研究担当者 |
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発行年度 |
1995 |
要約 |
園内作業道の造成工事に伴う断根及び根域縮小等の対策技術として、比較的低価格の気液供給装置を用いた樹冠下土壌への通気処理と干ばつ時の灌水処理によって、また樹冠下への客土処理によって、土壌表層の細根発生量が大幅に増加する。
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背景・ねらい |
急傾斜地園における管理作業の省力化を推進するうえで作業機械が走行する園内作業道の設置は必須条件といえるが、一方では造成工事に伴って多量の細根が切断され、根群分布域も縮小される。永年生作物であるかんきつ類の高品質安定生産には根群強化による樹勢維持が必要であり、特に深耕・有機物施用等の土壌改良が困難な急傾斜地園における実用的な細根増加技術の確立が求められている。
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成果の内容・特徴 |
- 細根発生の主要な制限要因である土壌空気及び水分条件を改善するため、樹冠外周のやや内側に微細孔隙を有する浸出性ゴム管を深さ15~20cmの位置に列状に埋設して、これに連結した空気圧縮機によって通気処理を行うとともに、干ばつ時には流路を切り換えてポンプによる地中灌水を行う(図1)。この気液供給装置(N社PRO-AGR)は、比較的低価格で、肥料混入機に連結すると深層施肥も可能である。ゴム管の埋設は、10cm幅の作溝ができる小型管理機(NK社 CL-26、改造機)を用いることによって、作業の労働軽減が図れる(表1)。
- 土壌通気処理によって大気とのガス交換が促進される(図2)とともに、地中灌水によって水分ストレスが緩和される。収穫後の掘り取り調査では、ゴム管周辺の埋設時に切断した根から旺盛な新根の発生が認められる(図3)。
- 以上とは別に、作業道造成工事に伴って生じる切り土部分の余剰土壌を樹冠下の全面に約5cmの厚さで客土する方法でも、原土と客土の境界部分に多量の新根が発生する。
- 果実品質については、通気・灌水処理の有無によって有意な差は認められないが、果実糖度がやや高くなる傾向がみられる。
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成果の活用面・留意点 |
- これらの土壌管理技術は、傾斜地等で土壌改良(深耕+有機物等施用)が困難な場合のカンキツ類の根群強化法として有効である。
- 埋設工事は断根を伴うため、樹体が休眠状態にある時期に実施するのが望ましい。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
肥料
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