温州みかんの樹冠下マルチによる果実品質の向上

タイトル 温州みかんの樹冠下マルチによる果実品質の向上
担当機関 四国農業試験場
研究期間 1997~1997
研究担当者 清水徳朗
瀧下文孝
内田誠
発行年度 1997
要約 〔要約〕傾斜地みかん園に対し,夏季から収穫期まで樹冠下のみに多孔質シートをマルチすることにより,土壌温度の上昇を抑制し,潅水後の土壌水分の維持が図られ,ひいては光合成能の増加となり,収量を低下させることなく果実品質の向上が図られる。
成果の内容・特徴
  1. 多孔質シートをマルチ処理してシート下に潅水すると土壌水分が高く維持される。また,地表面温度や,地中温度も上昇が抑制され,樹冠内照度は1.5mの高さまでも明るくなり,光合成能が2割以上高くなる(表1)。
  2. 南柑20号の傾斜地園(傾斜度約25°)では,園内作業道を造成し,多孔質シート(白色)を梅雨明け後,樹冠下のみに簡易マルチすることで,果皮の赤みが強く,糖度の高い,クエン酸が適当な果実が生産される。また,園内作業道を造成するだけでも高品質果になる。なお,収量的には三者間で差がない(表2)。
  3. 杉山温州の傾斜地園(傾斜度約25°)において,多孔質シート(白色)を簡易マルチすると,収量が安定し着色が良く糖度は高めで,クエン酸は低い果実が生産される。しかし,マルチ資材に黒色ポリフィルムを使った場合,2年目の収量が減少し(樹勢が衰弱化),着色が劣り,糖度は高いがクエン酸も高くなる(表3)。
成果の活用面・留意点 〔成果の活用面・留意点〕
本成果は急傾斜地のみかん園で適用可能ではあるが,作業性の面から園内に作業道を造成し,1列植えとすることが望ましく,適宜灌水ができることも安定的な高品質果実生産につながる。

  〔その他〕研究課題名:傾斜地大規模カンキツ作における快適省力・高品質生産システムの確立(高品質安定生産のためのマルチ栽培及び結実法の改良と適用)予算区分 :実用化促進(地域総合)研究期間 :平成9年度(平成5年~9年)研究担当者:内田誠・瀧下文孝・清水徳朗発表論文等:ウンシュウミカンへの樹冠下マルチ栽培効果の実証,園学雑,67(別1),1998 
  
図表1 228629-1.jpg
図表2 228629-2.jpg
図表3 228629-3.jpg
カテゴリ 温州みかん 傾斜地 その他のかんきつ

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