タイトル |
雨よけトマトにおけるオンシツツヤコバチ、ネット被覆、紫外線カットフィルムの組み合わせによる害虫の防除体系 愛媛農試 |
担当機関 |
愛媛県農業試験場 |
研究期間 |
1998~1998 |
研究担当者 |
角田和利
金崎秀司
黒田剛
山崎康男
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発行年度 |
1998 |
要約 |
雨よけトマトにおける害虫対策として、天敵オンシツツヤコバチの放飼、ハウス開口部のネット被覆、ハウス天ビニルへの紫外線カットフィルムの使用を組み合わせて行うと、発生頻度の高い害虫であるオンシツコナジラミ、オオタバコガ、ヒラズハナアザミウマによる被害を抑制できる。愛媛県農業試験場・生産環境室
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背景・ねらい |
中山間地域で栽培されている夏秋トマトの雨よけ栽培における害虫対策として、天敵昆虫の利用とあわせて、同時に発生してくる他の害虫の対策について、天敵と共存し、組み込むことのできる生物的・物理的防除体系を明らかにし、環境負荷のより少ない防除法の確立をめざす。
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成果の内容・特徴 |
- 愛媛県中山間の雨よけトマトでは、オンシツコナジラミ、オオタバコガ、ヒラズハナアザミウマ、チューリップヒゲナガアブラムシ、ワタアブラムシ、マメハモグリバエ、トマトサビダニ、カンザワハダニなどの害虫が発生し、これらの中で特に前3種の発生、加害頻度が高い。
- オンシツコナジラミに対しては、発生開始期より1週間間隔で計4回、天敵オンシツツヤコバチのマミーカードをトマト株25株に1枚の割合で放飼することで、発生量を抑制し、果実被害の発生を防ぐことができる。
- オオタバコガに対しては、雨よけハウスのサイド部および間口などの開口部を、目合い5.lmmのネットで被覆すると、その被害の発生を防ぐことができる(図1)。
目合い5.1mmのネット被覆によるハウス内温度への影響は小さい。 - ハウス天ビニルに紫外線カットフィルムを使用すると、ヒラズハナアザミウマによる果実被害の発生も抑制できる(図2)。
- 定植時より紫外線カットフィルムを使用し、開口部をネット被覆したハウスでも、天敵オンシツツヤコバチは活動しオンシツコナジラミの発生量を抑制できる(図3)。したがって、これら3つの防除手法を組み合せた体系は雨よけトマトの主要な3害虫対策に有効である。
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成果の活用面・留意点 |
- 従来の殺虫剤の使用回数を大幅に削減できる。
- トマトサビダニ、カンザワハダニ、チューリップヒゲナガアブラムシが発生した場合には、選択的殺虫剤で対応する。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
栽培技術
チューリップ
中山間地域
トマト
ヒラズハナアザミウマ
防除
わた
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