タイトル |
黄色蛍光灯とフェロモン剤を用いた施設葉ジソ(オオバ)の鱗翅目害虫の防除 高知農技セ |
担当機関 |
高知県農業技術センター |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
広瀬拓也
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発行年度 |
1998 |
要約 |
黄色蛍光灯とハスモンヨトウ交信攪乱用フェロモン剤とを併用処理することで、施設葉ジソに発生するハスモンヨトウのみならず、ベニフキノメイガ、コクロヒメハマキの一種の発生をも同時に抑制できる。高知県農業技術センター・生産環境部・昆虫科
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背景・ねらい |
施設栽培の葉ジソ(オオバ)には、ハスモンヨトウ、ベニフキノメイガ、コクロヒメハマキの一種といった鱗翅目害虫が発生し、その加害が問題となる。しかし、マイナー作物である葉ジソに適用登録されている薬剤は極めて少なく、防除対策に苦慮する場面が多い。このため、薬剤のみに頼らない総合的な防除技術の開発が生産現場から望まれている。そこで、フェロモン剤、黄色蛍光灯を用いた鱗翅目害虫の防除体系の確立を図る。
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成果の内容・特徴 |
- 反射板および捕虫器付き黄色蛍光灯(光源:30W、最大波長:610nm)とハスモンヨトウの交信攪乱用フェロモン剤とを併用処理することでハスモンヨトウを防除でき、薬剤散布回数、薬剤使用量の軽減が図られる(図1)。また、黄色蛍光灯によりベニフキノメイガ、コクロヒメハマキの一種の発生をも同時に制御できる(図2、3)。
- 黄色蛍光灯の処理は、ハスモンヨトウ、ベニブキノメイガ、コクロヒメハマキの一種が発生する4月から10月まで行う。また、フェロモン剤はハスモンヨトウの次世代幼虫の発生を防ぐためのものであるので、定植直後あるいは幼虫の発生初期に処理する。
- ハスモンヨトウ成虫は黄色蛍光灯に飛来することがある。また、本蛍光灯には、葉ジソを加害するコガネムシ類、ハムシ類の成虫が誘引される(表1)。このため、黄色蛍光灯の下部にネットを取り付けてこれらの害虫を捕獲するとともに、施設の両サイドを目合い4mmのネットで被覆する。
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成果の活用面・留意点 |
- 活用範囲は施設葉ジソ栽培とする。
- 黄色蛍光灯が効果を発揮するには1lux以上の明るさが必要とされている。このため、30Wの黄色蛍光灯は10m間隔で設置する。また、点灯時間は終夜とする。
- フェロモン剤の有効期間は3~4ケ月程度である。有効期間を過ぎる前に再度処理を行う。
- 黄色蛍光灯点灯によるシソへの悪影響は認められない。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
病害虫
害虫
栽培技術
施設栽培
しそ
フェロモン
ふき
防除
薬剤
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