タイトル |
ハウスナスの液肥による効率的施肥法 高知農技セ |
担当機関 |
高知県農業技術センター |
研究期間 |
1997~1998 |
研究担当者 |
糸川修司
森永茂生
北村明久
澁谷和子
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発行年度 |
1998 |
要約 |
基肥窒素を施用せず、生育に応じて液肥で追肥することにより、窒素の総施用量を慣行の55~61%に低減しても、同等の収量が得られる。高知県農業技術センター・生産環境部・土壌肥料科
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背景・ねらい |
近年、環境保全型農業への関心が高まり、各地で低投入施肥への取り組みが行われつつある。一方、施設栽培では依然として多肥栽培が行われており、特に窒素は脱窒によるガス化や灌水に伴う溶脱を受けやすく、施肥効率が悪い。 そこで、高知県の主要作物である施設ナスにおいて、収量・品質を維持しつつ、窒素の施用量の低減と施肥効率の向上を図る施肥方法として、液肥による施肥管理を検討する。
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成果の内容・特徴 |
- 基肥に窒素を施用せず、定植直後より液肥で追肥し、窒素の総施用量を憤行の55~61%とする。基肥を施用しないため、10~11月は窒素成分で5~7kg/10a/月の慣行より多めの追肥とする。それ以後、厳寒期の12~2月は3kg/10a/月の少なめの追肥とし、3月以降1kg/10a/月ずつ追肥量を増やす。
なお、適1回の追肥を基本とするが、施用量の多い月は1回の施用量が1kg/10aを越えないように、更に細かく分施する。(表1)。 - 総窒素施用量を低減して、生育に応じて追肥することにより、作土中の無機態窒素量は慣行に比べ低く推移する(図1)。
- 収量は、慣行と同等かやや増加する。また、品質は同等である(表2)。
- 10a当たりの窒素吸収量は増加し、窒素施肥効率も向上する(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 窒素施用量に対する施肥効率が100%を越えることから、十分な土づくりを行い土壌の窒素肥沃度を高める必要がある。また、窒素肥沃度が高まれば、さらに窒素施用量を低減することも可能である。
- 施肥前の土壌診断を行い、燐酸、加里および苦土石灰の適正施用に努め、燐酸および加里の集積状況により、使用する液肥の3要素の組成を変える。
- 適用範囲は、県内の水田土壌等の粘質土壌とする。なお、保肥力、保水性の劣る中粗粒質の土壌や下層土が砂礫層になっている排水性の良い土壌では、相対的に窒素の施用量を増す。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
土づくり
肥料
栽培技術
施設栽培
水田
施肥
土壌管理技術
土壌診断
なす
排水性
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