酒造適性を重視した水稲「土佐錦」の安定栽培法 高知農技セ

タイトル 酒造適性を重視した水稲「土佐錦」の安定栽培法 高知農技セ
担当機関 高知県農業技術センター
研究期間 1997~1998
研究担当者 古味一洋
坂田雅正
山崎幸重
杉本篤史
発行年度 1998
要約 水稲「土佐錦」の栽培では、籾数を21.2~21.7千粒/㎡にとどめることで、玄米千粒重が25.0g以上で、タンパク含有量が7.40%以下の酒造適正米を安定的に480kg/10a生産できる。この場合の本田総窒素施用量は、成分で6~8kg/10aでよい。
背景・ねらい 平成5年度に県の奨励品種として採用された酒造用水稲品種「土佐錦」は、酒造適性がすぐれ、酒造関係者からも吸水性が良く仕込みやすく、淡麗でキレのある酒が醸造できるとして高い評価をうけている。しかし、収穫時にやや脱粒しやすいなどの品種特性をもつほか、現地調査での収量をみると、地域間および年次変動が大きい。
そこで、酒造適性を損なうことなく、安定した収量をえるための栽培法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 精玄米収量は、単位面積当たり籾数が24.0千粒/㎡前後で最も多くなる(図1)。しかし、単位面積当たり籾数の増加とともに、千粒重(粒厚1.8mm以上)は低下し、玄米タンパク含有率が増加する(図2,3)。
  2. 千粒重25.0g以上で、タンパク含有率7.40%以下の玄米を生産するには、単位面積当たり籾数を21.7千粒/㎡以下に抑える必要がある(図2,3)。
  3. 精玄米収量480kg/10aをえるときの単位面積当たり籾数は、21.2千粒/㎡でよい。したがって、適正籾数は、21.2~21.7千粒/㎡(穂数で324~330本)となる(図1)。
  4. 上記の適正籾数をえるための本田への総窒素施用量は、土壌の肥沃度によって異なり、成分で6~8kg/10aの範囲とし、基肥は4~5kg/10aで、出穂24~18日前頃に穂肥として2~3kg/10aを施用する。ただし、最高茎数が500本/㎡を下回るような土壌条件では、穂肥を出穂28~24日前と18~16日前に1.0~1.5kg/10aづつ分施するとよい(表1)。

成果の活用面・留意点
  1. 適用範囲は、本県普通期水稲栽培地帯である。
  2. レンゲのすき込み等、栽培期間中に施肥以外の窒素供給が過多になるような圃場では、籾数の増加をまねき、酒造適性を著しく低下させる場合がある。
  3. 登熟期間の平均温度が24.0℃以上になると、精玄米千粒重が低下し、小粒化の傾向がみられる。
  4. 「黄金錦」等の一般食用米と比較して脱粒しやすい特性をもつため、収穫は帯緑色籾が20%程度になった時(出穂後34~37日目頃)を目安に行う。

図表1 228673-1.jpg
図表2 228673-2.jpg
図表3 228673-3.jpg
図表4 228673-4.jpg
カテゴリ 水稲 施肥 品種 れんげ

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