タイトル |
小型ロールベーラーを利用するソルゴー型ソルガムの栽培及びサイレージ調製技術 香川畜試 |
担当機関 |
香川県畜産試験場 |
研究期間 |
1996~1998 |
研究担当者 |
谷川昭彦
白川 朗
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発行年度 |
1998 |
要約 |
ソルゴー型ソルガムは、播種量を7kg/10aとし、草丈200cm程度で刈り取ることにより、小型ロールベールに適した草姿となる。刈取後の原料を、中水分に予乾することによって良質なサイレージに調製できる。また、原料が高水分の場合には、ギ酸を添加することによって発酵品質が改善される。
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背景・ねらい |
小型ロールベーラーの効率的利用と自給飼料の周年供給をねらいとして、小型ロールベーラーを利用したソルゴー型ソルガムの栽培、サイレージ調製、及びその品質安定化技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 小型ロールベール用の栽培方法は、2番草の生育期間を十分にとるために5月下旬に通常播種量の約2倍量の7kg/10aを散播すると、茎の細化や軟化が図られ、ベールラップ作業適性が向上する。草丈は播種後及び1番草刈取後約50日~60日で、200cm~止葉がでるまで伸長する。この時期は乾物収量、作業適性から刈取り時期として望ましい。
また、茎の柔らかさ、糖度、乾物収量、作業適性から有望な品種は「NK326」である。(表1) - 原料をモアコンディショナーで刈取り、3時間ごとにテッダで攪拌を行うことにより、晴天下では約20時間で水分約70%以下に予乾できる(図1)。
- サイレージ調製は、材料の水分を中水分(74~55%)とし、ラップ巻数を3回巻きとすると気密が保持され、90日保存でも発酵品質は低下せず、実用的である(表2)。また高水分(75%以上)では、ギ酸製剤を添加することによって酪酸発酵は抑制され、品質が向上した(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- ソルゴー型ソルガムを1、2番草まで利用し、これを冬作の混播(エン麦とイタリアンライグラス)と周年利用すれば、年間3.8トン/10aの乾物収量が期待できる。
- 小型ロールベーラーは稲ワラの収集のみに利用されてきたが、本技術を水田転作飼科作物生産等に組み込むことにより、粗飼料の不足する冬場の良質粗飼料供給に活用できる。
- この技術は小型だけでなく、中型ロールベール体系にも適用可能である。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
イタリアンライグラス
えん麦
水田
ソルガム
播種
品種
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