イチゴの新品種‘めぐみ’ 徳島農試

タイトル イチゴの新品種‘めぐみ’ 徳島農試
担当機関 徳島県立農業試験場
研究期間 1975~1997
研究担当者 吉田 良
川下輝一
板東一宏
発行年度 1998
要約 本品種は、‘とよのか’と‘アイベリー,の交配実生選抜株に‘とよのか,を交配して育成した一季成り品種である。‘とよのか,に比べて、早生で果実が大きく揃いが良い。果実品質・収量性に優れ、摘花・玉出しが不要で省力性に優れる。徳島県立農業試験場・野菜科
背景・ねらい 本県で栽培されている‘とよのか’は、果実の肥大や揃いを良くするための摘花や、着色を促進させるための玉だし等の管理作業に多大な労力がかかる。イチゴ栽培面積は栽培者の高齢化が進み漸減傾向であり、省力栽培技術開発への要望が強い。そこで、果実品質・収量性に優れ、省力栽培ができる新品種の育成を行う。
成果の内容・特徴
  1. 育成経過
    平成4年春に‘とよのか’と‘アイベリー,の交配実生選抜株を母に、‘とよのか’を父として交配し種子を取り播種した。発生してきた実生株を同年9月に畑へ定植し、平成5年春にその中より4系統を選抜した。平成6年12月に、これら4系統の中から早生性で果実が大きく、食味・外観に優れる1系統を選抜した。
    平成7、8、9年の3ヶ年にわたり特性調査を行った結果、早生性、大果性、省力性であることを確認し育成を終了した。平成10年度に‘めぐみ’の名称で品種登録出願を行った。
  2. 特性
    1)収穫開始時期は、普通ポット育苗で9月上句に花芽分化し、9月中旬定植では10月中旬に開花し11月中旬から収穫できる(表1)。
    2)草勢は強であるが‘とよのか’に比べると葉が小さい(表1)。
    3)ランナーの発生はやや少なく、果房当たりの花数は平均5~7個と少ない。
    4)平均果重は約21gと大きく、果形は円錐で乱れが少なく商品果率が高い(表2、3)。
    5)果実の色は、果皮色は鮮赤でやや赤く着色が良い。果肉色は淡赤である。
    6)果実の硬さは‘とよのか’と同等で硬い。
    7)果実の糖度は10~12度(brix値)と高く、酸度は中で食味がよい。果実の香りは多である(表3)。
    8)収穫量は3月末までで約350~420kg/aと多収である。果実数は‘とよのか’に比べ、約20~30%少ない(表2、3)。
    9)摘花・玉だしが不要で、果実数が少なく揃いも良いため、作業の省力性に優れる。
 
図1 ‘めぐみ’の育成経過
成果の活用面・留意点
  1. 花芽分化が早いため促成栽培では‘とよのか,より7日~10日程度早く定植する。
  2. 本品種は多肥に敏感でチップバーンが発生し易いため元肥を少なくし追肥中心の施肥管理をする。
  3. 病害虫の抵抗性は‘とよのか,と同程度と思われるため、うどんこ病、ダニ等については的確な防除法をとる。
 
図表1 228689-1.jpg
図表2 228689-2.jpg
図表3 228689-3.jpg
図表4 228689-4.jpg
カテゴリ 病害虫 育苗 いちご うどんこ病 害虫 栽培技術 新品種 施肥 抵抗性 播種 品種 防除 良食味

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