花粉媒介昆虫(ツチマルハナバチ)を利用した加温促成ナスの着果技術 高知農技セ

タイトル 花粉媒介昆虫(ツチマルハナバチ)を利用した加温促成ナスの着果技術 高知農技セ
担当機関 高知県農業技術センター
研究期間 1997~1998
研究担当者 橋本和泉
前田幸二
野村美恵
発行年度 1998
要約 加温促成ナス栽培では、平均夜温12℃の変夜温管理により花粉媒介昆虫(ツチマルハナバチ)を利用した受粉が可能となり、植物生長調節剤の単花処理を省略できる。 高知県農業技術センター・作物園芸部・施設野菜科
背景・ねらい 促成ナスは高知県の基幹品目として定着している。しかし、近年、担い手の高齢化、労働力不足に加え、現在の栽培技術体系のもとでは1戸当たりの栽培面積の拡大は困難な状況にある。一方、着果および果実肥大促進のためにトマトトーンの単花処理が行われており、多くの労力を必要としている。そこで、ナスの開花・結実特性を把握し、花粉媒介昆虫を利用した着果技術を開発する。
そこで、秋まきにより生育期間を長くすることで収量の増加を目指すとともに、省力的な栽培方法について検討する。
成果の内容・特徴
  1. 対象品種
    ‘竜馬’とする。
  2. 花粉媒介昆虫
    ツチマルハナバチ(Bombus terrestris)とする。
  3. 温度管理
    平均夜温12℃の変夜温管理(16:00~20:00まで14℃、20:00~24:00まで12℃、24:00~6:00まで10℃、6:00以降16℃)とし、昼温は27~28℃で管理する。
  4. 導入期間
    (1)導入開始時期は、定植2~3か月後を目安とする。
    (2)1群当たりの導入期間は2~3か月間とする。
    (3)バイトマーク(ハチによる雄ずいの傷)のない花が確認され始めた頃に、遅れないようにツチマルハナバチ群を更新する。
  5. 導入群数
    7a当たり1群を目安に導入する。
  6. 特徴
    ツチマルハナバチにより受粉した場合、慣行のトマトトーンの単花処理とほぼ同等の着果率、上品率、上品収量および収穫所要日数が得られる(図1、2、3、4)。

成果の活用面・留意点
  1. コパート社(オランダ)製ツチマルハナバチを用いた試験結果に基づく技術である。
  2. ハウス開口部には防虫ネットを張り、ツチマルハナバチの脱出を防止する。
  3. 巣箱は、うね上20cm程度の位置に設置し、日除けをして通風を良くする。開花時に除草のため、中耕する必要がある。
  4. 導入後1週間程度はハウス内環境への適応期間とし、訪花活動が不十分な場合にはトマトトーン処理を併用する。
  5. ツチマルハナバチ群の導入までには病害虫の密度を極力下げておく。また、導入後に農薬を散布する場合、他のハウスや作業舎等、農薬のかからない場所に一時的に隔離しておく。
  6. ツチマルハナバチが訪花しやすいよう、早めの整枝、摘葉につとめる。
 
図表1 228696-1.jpg
図表2 228696-2.jpg
図表3 228696-3.jpg
図表4 228696-4.jpg
カテゴリ 病害虫 温度管理 害虫 栽培技術 受粉 除草 トマト なす 農薬 品種 マルハナバチ

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