タイトル |
カンキツ「天草」の加温ハウス栽培による高品質果実生産 |
担当機関 |
愛媛県立果樹試験場 |
研究期間 |
1999~2002 |
研究担当者 |
井上久雄
加美 豊
藤井栄一
藤原文孝
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発行年度 |
1999 |
要約 |
「天草」の加温栽培において1月下旬から5月下旬まで加温を行い、8月下旬から12月上旬まで節水灌水を行うと、糖度12以上の果実が収穫できる。さらに、完全着色期にジベレリンを散布するとクラッキングの発生が軽減できる。
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背景・ねらい |
加温栽培による熟期の促進を図り、年末の贈答用高級果実としての付加価値を高める。
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成果の内容・特徴 |
- 「天草」の加温ハウス栽培において、1月下旬から5月下旬まで夜温15~17℃、昼温25~30℃で管理すると、12月上旬に収穫できる。10a当たり収量は高接ぎ5年生樹で4トン、6年生樹で5トン以上となり、果実の大きさは3Lが中心となる(表1)。
- 果実は大果ほど糖酸が低くなるため、贈答用果実としては階級2L~3Lが適正と思われる(表2)。
- 裂果は天井ビニールを被覆し、降雨を防ぐと軽減される。8月中旬までは7~10日間断で多灌水を行うが、その後収穫までは7~14目間断で節水灌水を行うと、糖度12以上の果実になる。9月中旬に糖度が9.3以上になるよう灌水量及び間断期間を調節すると、収穫時には糖度12以上になる(図1)。
- 果梗部周辺に発生するクラッキングは果実が完全着色となる10月下旬にジベレリン1~3ppm濃度液を散布すると、着色に影響せず、発生が軽減される(表3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 「天草」の加温ハウス栽培に新規に取り組む農家に活用できる。葉果比は40~60程度とし、側枝単位に結実させると安定生産が行える。さらに、台風対策のためPO系フィルムを用い、フルオープンハウスになるよう改良すると被覆除去作業が省力化される。
- ジベレリンの「天草」への使用登録はまだないので、今後検討を重ね、登録を待って現場へ普及させる必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
省力化
高接ぎ
その他のかんきつ
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