株元局部点滴潅水によるハウスミカンの品質向上

タイトル 株元局部点滴潅水によるハウスミカンの品質向上
担当機関 愛媛県立果樹試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者 井上久雄
加美 豊
藤井栄一
藤原文孝
発行年度 1999
要約  果径3cm頃から収穫時まで、株元を中心に局部点滴潅水を行うと適度な水ストレスが維持でき、果実の肥大を抑制することなく減酸と増糖を進め、高品質果が生産できる。さらに果皮色が濃くなり、浮皮の発生を軽減できる。
背景・ねらい
加温ハウス栽培では高糖度をねらい土壌を乾かし過ぎた場合、樹勢が弱り小玉化や収量の低下につながる。一方、潅水過多になった場合も大玉、低糖、浮皮等による収益減が問題となる。そこで節水が可能といわれている局部点滴潅水法の有効性を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 慣行の地表面散水では水ストレスの変動が大きく、適正な潅水量の把握が難しいのに対し、株元中心の列状点滴潅水は、もどし潅水期から成熟期にかけて-0.8~-1.2Mpa程度の適度な水ストレスが維持しやすい(図1・2)。
  2. 株元から左右50cm離れた位置の2列点滴潅水は、同一潅水量では株元点滴潅水に比べて水ストレスがかかりにくい(図1)。
  3. 株元点滴潅水によって減酸を進めながら、糖度の高い、果皮色の濃い高品質果が生産できる。点滴2列潅水では糖度の上昇が鈍い(図3・4)。収量は慣行に比べて点滴潅水でやや多く、小玉果が少なくなる(表1)。浮皮軽減効果も認められる(表2)。
成果の活用面・留意点
  1. 点滴2列潅水ではさらに水量を検討する余地があるが、点滴株元1列潅水は資材費が2列潅水の半分で安価に設置できる。
    植栽間隔、根域の深さ、土壌条件等にあわせて潅水量、潅水間隔を変える必要がある。

図表1 228776-1.jpg
図表2 228776-2.jpg
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