オリーブ新漬けの加工条件に関する検討

タイトル オリーブ新漬けの加工条件に関する検討
担当機関 香川県発酵食品試験場
研究期間 1997~1998
研究担当者 柴崎博行
発行年度 1999
要約  オリーブ果実の加工食品であるオリーブ新漬けの製造条件に関しては、果実を処理するNaOH溶液及びNaCl溶液の濃度、ならびに製品の加熱殺菌処理条件はその品質に対してそれぞれ影響を及ぼす。
背景・ねらい
近年オリーブオイルをはじめ果実の加工食品の需要は増大している。香川県内で生産されている“新漬け”と呼ばれる非発酵タイプのテーブルオリーブスに関しては、国内の他の地域で生産されていないことなどからその製造法に関する基礎的な知見はほとんど報告されていない。そこで今回、各製造条件が新漬けの品質に与える影響について検討する。
成果の内容・特徴
  1. マンザニロ種の果実を用いて図1にしたがって新漬けを調製し、果実表面の色を分光式色彩計を用いてL*a*b*法により評価した場合、果実を処理するNaOH溶液の濃度(0.9~2.7%)が低すぎると果実表面の色は褐色を帯び、逆に高すぎると緑色が抜けて黄緑色を呈し(図2)、ともに商品価値を低下させるので従来の処理条件である2.0%前後の濃度がよい。また果肉の固さとしてレオメータを用いて圧縮応力を測定した場合、NaOH濃度が高いほど低い値を示す。(図3)。
  2. 処理するNaCl溶液の濃度(2.0~8.0%)は高いほど果実表面の色は若干濃い暗めの緑色を呈する。また果肉の固さに対してはNaCl濃度の影響はない。
  3. 新漬けの加熱殺菌条件の温度(70~100℃)ならびに処理時間(20~60min)の影響に関しては高温・長時間であるほど果実表面の色はより退色する。70℃、20分の処理でも色の変化が現れ、80℃で60分、90℃で40分以上、100℃で20分以上の加熱条件ではとくに色の変化が大きく、新漬けの品質保持のためには加熱殺菌はこれら以下の穏和な条件であるほどよい。また果肉の固さに対しては加熱処理条件は有意な影響はない。
成果の活用面・留意点
  1. 新漬けの品質保持のための基礎的知見としての活用。
  2. 関連新商品の開発のための基礎的知見としての活用。

図表1 228804-1.jpg
図表2 228804-2.jpg
図表3 228804-3.jpg
カテゴリ オリーブ 加工 品質保持

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