ファレノプシスのクローン苗生産に適した培地組成

タイトル ファレノプシスのクローン苗生産に適した培地組成
担当機関 徳島県立農業試験場
研究期間 1999~2001
研究担当者 高木和彦
発行年度 1999
要約  コチョウランの葉片からPLB(protocorm like body)を誘導し,継代培養培地に修正Vacin and Went培地のショ糖無添加培地,または,ハイポネックス・ポテト培地(木村,1991)を用いると効率的なPLB増殖が可能になる。さらに,苗化培養培地にバナナ果汁を添加すると,生育の良好な高品質苗を得ることができる。
背景・ねらい
現在,コチョウラン栽培では実生苗を用いた栽培が主体であるが,実生苗は品質が不均一であり生産管理の効率化も図りにくい。このため,高品質化と生産の効率化を目的としてクロン苗の導入が試行されているが,種苗費が高く導入率が低い。そこで,クローン苗の大量生産に適した培地を選定し,安価で高品質の種苗生産とその導入による栽培管理の低コスト,効率化を図り,経営改善を行う。
成果の内容・特徴
  1. PLB継代培養では,個体毎に培地組成によって異なった増殖反応を示す(表1)。
  2. 継代培養培地に修正Vacln and Went培地(Vacln and Went培地にcoconut waterを20%添加)のショ糖無添加培地を用いると,PLB切片移植後の活着率が高く,安定したPLB増殖が可能となる(表1)。
  3. 継代培養培地にハイポネックス・ポテト培地(木村,1991)を用いるとPLB移植後の活着率はやや低いが,PLBの肥大,形成数が良好である(表1)。
  4. PLB切片移植後の活着率およびPLB形成数を判断材料にし,この22類の培地を使い分けることでPLBを効率的に増殖できる。
  5. 苗化用のハイポネックス・ポテト培地(田中ら,1990)のポテト煮汁の代わりにバナナ果汁100gを添加すると,生体重,根数が増加し,生育の良好な高品質苗を得ることができる(表2)。
  6. 個体毎に適正なPLB継代培地を使用すると,花茎培養実施株のうち約30%で品質の均一なクローン苗を獲得できる(図1)。
成果の活用面・留意点
  1. 継代培地を使い分けることで,効率的なPLB増殖が可能となる。
  2. クローン苗の大量生産が可能となり種苗費や育苗資材費が軽減され,低コスト化が図られる。
  3. 均一な栽培管理によって生産効率の改善が図られ,経営改善につながる。
  4. 花茎培養前にウイルス検定を行う。

図表1 228810-1.jpg
図表2 228810-2.jpg
図表3 228810-3.jpg
カテゴリ 育苗 クローン苗 経営管理 栽培技術 低コスト バナナ

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