高知方式湛液型ロックウールシステムによる野菜栽培の経済性

タイトル 高知方式湛液型ロックウールシステムによる野菜栽培の経済性
担当機関 高知県農業技術センター
研究期間 1999~2000
研究担当者 杉山英治
川崎哲郎
大野高資
発行年度 2000
要約 ロックウール耕栽培の経済性を土耕栽培と比較すると、促成ピーマン、促成小ナス、促成シシトウ、促成米ナス、促成葉ジソの収益は増大する。しかし、家族労働費の確保できる安定的な経営は、促成小ナスでは20a規模で達成できるが、他の品目では雇用活用型経営による規模拡大が必要となる。
背景・ねらい
高知県農業技術センターでは、「高知方式湛液型ロックウールシステム」を開発し、促成ナス栽培に対して安定生産が可能であることを明らかにしたが、他の野菜・花きについても実用化が期待されている。
そこで、本システムでの栽培適合性が検討されている促成ピーマン、促成小ナス、促成シシトウ、促成米ナス、促成葉ジソについて、生産費、所得、作業時間などを調査し、損益分岐点分析を行うことにより、土耕栽培に対する経済性を明らかにする。
成果の内容・特徴
  1. 調査対象としたすべての品目において、ロックウール耕栽培の粗収益と所得は土耕栽培より多くなる(表1)。
  2. すべての品目で、収穫・調製・出荷を除く作業時間は短縮できるが、収量の増大に伴い、小ナス、シシトウ、葉ジソでは総作業時間は土耕栽培より増加する(表2)。
  3. 小ナスでは、試算した粗収益が損益分岐点粗収益を上回るが、シシトウ、葉ジソでは同額となり、ピーマン、米ナスでは5~11%も下回り、この2品目では家族労働費を確保できない(表1)。
  4. ロックウール耕栽培による安全余裕率は、葉ジソでは土耕栽培と同等となるが、他の品目では土耕栽培を上回る(表1)。
  5. いずれの品目もロックウール耕栽培によって収益は増大するが、家族労働費の確保できる安定的な経営は、促成小ナスでは試算した20a規模で達成できるが、他の品目では収穫・調製・出荷作業を雇用労働力に依存した雇用活用型経営による規模拡大が必要である。
表3 試算条件一覧 
成果の活用面・留意点
  1. ロックウールシステムにかかる初期投資額は、葉ジソでは培地量、栽培ベッドの配置方法の違いによりナス標準システムの約1.8倍必要となるが、他の品目ではナス標準システムが適用できる。
  2. 安定的な経営を実現するには、損益分岐点収量以上を確保できる栽培技術の修得が必要である(表1)。

図表1 228836-1.jpg
図表2 228836-2.jpg
図表3 228836-3.jpg
カテゴリ 規模拡大 経営管理 栽培技術 ししとう 出荷調整 なす ピーマン 野菜栽培

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる
S