タイトル |
四国山間棚田地域における定住条件向上のための組織化方向 |
担当機関 |
四国農業試験場 |
研究期間 |
2000~2000 |
研究担当者 |
関野幸二
高橋弘江
島義史
迫田登稔
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発行年度 |
2000 |
要約 |
四国山間棚田地域では定住条件向上のため,作業受託組織化で稲作の担い手を育成する一方,高齢者や女性による集約作目の多品目生産を進める組織や農地の維持管理を担う組織を,多世代構成を活かして重層的に組織化する必要がある。
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背景・ねらい |
中国地域と四国地域の中山間地域はその地形において盆地型と峡谷型の差異が指摘されており,両地域の山間地域の水田で稲に次ぐ作付面積比率は,中国が飼料作物(中国9.8%,四国3.7%)に対して四国が野菜(四国13.9%,中国5.7%)である。四国の山間棚田地域における定住条件や農地維持の課題として,稲作継続と同時に野菜など集約部門の導入による現金収入の増加,放棄棚田の管理・活用を視野に入れた組織化が必要である。このような営農組織化方向を高知県T町N地区の実践より明らかにする。
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成果の内容・特徴 |
- 四国山間地域の農業生産は米,野菜,畜産が主であり,近年では野菜・花きの生産額 比率が伸びている(図1)。経済的な定住条件を向上させるため主業農家以外も含む多数の農家の収入底上げを図るには,高齢者や女性が取り組む数アールの園芸生産でも1名で1品目90万円程度の所得が可能なことから,その位置づけは重要である(図2)。
- 高知県T町N地区を例に山間棚田地域における営農組織化方向を整理すると,(A)棚田での稲作営農の維持,(B)棚田の園芸作利用,(C)地域の耕作能力を超える放棄地の管理,の3つの面から組織化を図り,これらの機能を多世代による多就業構成を活かし,年齢・性別に応じて重層的に担う必要がある(図3)。
1)基本となる棚田での稲作は,男性壮年のオペレータ農家(酪農・園芸と稲作の複合経営)の作業受委託により,高齢者や兼業世帯の稲作継続を図っている(機能A)。 2)軽量園芸作目の多品目少量生産がJA部会,N野菜研究会,老人会などで取り組まれている(機能B)。規格農産物の市場出荷とともに規格外農産物も市場外流通を図るなど販売ルートの複線化を図ることで高齢者・女性の営農意欲に結びついている。 3)放棄地管理では,山羊やアレロパシー作用などを利用した省力的雑草管理手法が導入され始めている。ここでも壮年者と高齢者で分担した組織的対応が必要である(機能C)。 以上の営農面の組織活動によって,定住条件の向上を図るモデルケースと評価できる。
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成果の活用面・留意点 |
- 地域の活力が極度に衰退するには至っておらず,園芸作導入の支援条件や営農意欲のある女性,高齢者が見られる棚田地帯の水田複合営農地域に当てはまる。
- 本情報における「定住条件向上のための組織化」は営農面に限定している。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
病害虫
経営管理
雑草
出荷調整
飼料作物
水田
中山間地域
乳牛
山羊
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