夏バテ指標測定装置による乳牛の効果的防暑対策

タイトル 夏バテ指標測定装置による乳牛の効果的防暑対策
担当機関 その他
研究期間 2000~2000
研究担当者 :萩原一也
日浦千尋
発行年度 2000
要約 牛舎内の気温と湿度から体感温度を算出し、それに基づいて既存の送風機等の稼働を制御する夏バテ指標測定装置を設置することで乳量が4~6%増加し、所得向上が期待できる。
背景・ねらい
現在普及している防暑対策機器の自動制御は牛舎内の気温に基づいたものがほとんどであり、乳牛の生理反応に対して重要な影響を及ぼす湿度が考慮されていない。そこで、牛舎内の気温と湿度から体感温度(0.35×乾球温度+0.65×湿球温度)を算出し、それに基づいて既存の防暑対策機器の稼働を制御する夏バテ指標測定装置を農家へ設置し、その効果を検討する。
成果の内容・特徴
  1. 本装置を設置して既存の送風機の稼働を制御することにより、4~10月における繋養牛の平均体温(0.86×直腸温+0.14×体表面温度平均)が有意(p0.05)に低下する。また、呼吸数、直腸温も低下する傾向が見られることから.、本技術は暑熱ストレス軽減に有効である(表1)。
  2. 本装置を設置していない農家と比較すると、設置農家では4月以降に分娩した牛の空胎日数が9日程度短縮し、5~9月の受胎率が約4%向上する(表2)。4~10月における305日補正乳量は4~6%増加する(表3)。
  3. 搾乳牛25頭、搾乳牛1頭当たり乳量25kg/日、乳価98円の経営では本装置の設置により乳代の増加額が約64万円となる。電気料および飼料費の増加額と装置の償却額を合計した支出増は24万円で、年間40万円(搾乳牛1頭当たり1.8万円)程度の所得向上が期待できる(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 本成果は一般の酪農家牛舎において既存の送風機の稼働を本装置によって制御して収集したデータを基に、繋養牛の乳量、搾乳日数等を考慮した統計モデルにより解析したものである。
  2. 本装置は送風機と同時に細霧機器の稼働も制御できることから、両機器の併用によりさらなる効果が期待できる。
  3. 十分な効果を得るには送風機の設置台数および設置位置、牛舎の開口部面積等を適正な状態にする必要がある。

図表1 228870-1.jpg
図表2 228870-2.jpg
図表3 228870-3.jpg
図表4 228870-4.jpg
カテゴリ 経営管理 自動制御 乳牛

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