早期部分マルチによる極早生・早生温州みかんの品質向上

タイトル 早期部分マルチによる極早生・早生温州みかんの品質向上
担当機関 愛媛県立果樹試験場
研究期間 2000~2002
研究担当者 井上久雄
藤井栄一
発行年度 2000
要約 極早生及び早生温州に対し、5・6月の早期から透湿性フィルムを用い、被覆割合を70~90%とする部分マルチを収穫まで行うと、夏から秋季にかけて樹体に適度な水ストレスがかかり、秋季の多雨条件下においても糖度11以上の高品質果を生産できる。傾斜地園では等高線に対して水平(横敷き)よりも直角(縦敷き)方向に敷くと品質向上効果が高い。
背景・ねらい
秋季の多雨・長雨によって食味が低下しやすい温州みかんの品質を向上させるにはマルチ栽培が有効な方法であるが、傾斜地園における全面マルチ栽培は雨水の処理が難しく、豪雨による災害も懸念される。また千ばつ時の灌水管理が難しく、フィルムの覆膜に多大な労力を労力を要する等普及上問題が多い。このため管理の容易な部分マルチについて透湿性フィルムの被覆割合、被膜時期及び被覆方向と樹体の水ストレス、品質、収量等の関連を検討し、極早生・早生温州みかんにおける部分マルチの最適な被覆方法を確立する。
成果の内容・特徴
  1. 土面に対する透湿性フィルムの被膜割合が70~90%の部分マルチを6月中旬から行うと、収量を低下させることなく平均糖度11以上でクエン酸濃度は低い食味の優れる果実が生産できる(表1)。
  2. 90%の被覆率で部分マルチすると極早生温州の平均糖度を10月上旬でほぼ11度、下旬には12度の果皮色の濃い高品質果実が生産できる。クエン酸濃度は10度月上旬で露地並に低くなるため早期出荷も可能である(表2)。また、12度以上の高糖果の分布割合が明らかに高くなり、収量や樹勢低下等の悪影響は認められられない。
  3. 被覆方向は等高線に対し水平方向(横敷き)よりも直角方向(縦敷き)の方が樹体に水ストレスがかかりやすく、果実への糖の集積が盛んである(表3)。被覆位置は株元を開けて敷く方法よりも株元を閉じる方が増糖効果はやや高い(表4)。
成果の活用面・留意点
  1. 等高線に対して直角方向(縦敷き)に敷く場合は豪雨時には雨水が集中するため全面マルチ栽培と同様の排水対策が必要である。夏肥は株元等のマルチ会報部に施用する。

図表1 228881-1.jpg
図表2 228881-2.jpg
図表3 228881-3.jpg
図表4 228881-4.jpg
カテゴリ 温州みかん 傾斜地 出荷調整 水管理 良食味

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