タイトル |
高知方式湛液型ロックウールシステムによる米ナス「くろわし」の促成栽培 |
担当機関 |
高知県農業技術センター |
研究期間 |
1999~2000 |
研究担当者 |
山本正志
前田幸二
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発行年度 |
2000 |
要約 |
高知方式湛液型ロックウールシステムによる米ナス 「くろわし」の促成栽培では、実生苗を使用し 、育苗期には山崎ナス処方準拠の0.4単位、本圃では1.0単位の培養液を用いることで、育苗の省力化が図られ、土耕に比べて増収する。
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背景・ねらい |
養液栽培は、土耕栽培に比べて肥料養分の調節が容易であり 、連作障害がほとんど発生しないことから生産が安定しており、栽培管理の省力化、作業環境の快適化の可能な栽培技術としても注目されている。そこで当センターで開発し 、促成ナスで有利性が認められた高知方式湛液型ロックウールシステムでの促成米ナス「くろわし」の本システムへの適合性を検討し、その栽培技術を開発する。
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成果の内容・特徴 |
- 定植時期および収穫期間:9月20~25日頃に定植して、6月末に収穫打ち切りとする。
- 品種:「くろわし」(実生苗)とする。
- 育苗:出芽揃い後に75mm×75mm×75㎜のロックウールキューブに移植し、培養液は山崎ナス処方に準拠した0.4単位の濃度とする。育苗日数は40日程度(1番花の開花4~5日前)とする。
- 本圃:うね幅180cm、株間80㎝とし、主枝は3~4本仕立てで、側枝は1芽摘心とする (図1)。培養液は山崎ナス処方に準拠した1.0単位EC:1.8mS/cm)の濃度とする(図2)。1株当たりの給液量は1.2リットル、排液率は15~20%になるように調整する。昼温は午前28℃、午後25℃、夜間は最低夜温が15℃以下にならないように管理し、培地は無加温とする。
- 特徴:接ぎ木作業が不要で育苗日数が短縮され、育苗の省力化が図られる。また、土耕に比べて上品収量が多い(図3)。
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成果の活用面・留意点 |
- 育苗期後半には蒸発散量が急激に増加するため、育苗キューブの乾燥に注意する。また、定植後活着までは手がけで給液する。
- 第1果は摘果し、主枝はV字型に誘引し樹勢が弱らないようにする。
- 苦土欠症が見られたら、硫酸マグネシウムの200~500倍液を3~4回葉面散布し樹勢を維持する。
- 湛液中のEC値が3.0mS/㎝以上となった場合には、1.0mS/㎝の培養液を栽培ベット10m当たり150リットルを給液してEC値を低下させる。
- 着果負担が大きくなりすぎると、心止まりや収穫後期の葉の黄化、落葉がみられ、収量・品質が低下する場合がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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カテゴリ |
肥料
育苗
乾燥
栽培技術
省力化
接ぎ木
なす
品種
養液栽培
連作障害
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