飼育化におけるマイワシ雌の成熟

タイトル 飼育化におけるマイワシ雌の成熟
担当機関 北海道区水産研究所
研究期間 1994~1994
研究担当者 松原孝博
本田 聡
和田時夫
発行年度 1994
要約 マイワシ太平洋系群の成魚を飼育し、卵巣の発達過程を調べた結果、卵黄形成は12月から開始され、2、3月には産卵期と同等の状態に達した。また、本種の成熟は短日下で促され、適水温は12~18℃の範囲にあることが示された。
背景・ねらい マイワシは我が国の周辺海域に広く分布する重要な水産資源であり、かつ長期的で大規模な資源変動を行うことで知られる。本種の生態や資源変動機構を解明していく上で、生殖に関する基礎的知見の集積は不可欠と考えられることから、本研究ではマイワシの生殖年周期と周期成立に関わる外部環境要因について検討した。
成果の内容・特徴
  1. 夏季に北海道沖に来遊したマイワシ太平洋系群を飼育し、生殖腺の発達過程を追跡した(図1)。雌の生殖腺体指数(GSI、生殖腺重量×100/体重)は12月以降著しく増加し、天然魚の産卵期と同時期に高いレベルに達した。
  2. 血中のビテロジェニン(卵黄蛋白前駆体)と、その合成を調節するエストラジオール-17b(雌性ホルモン)の測定結果から、本種の卵黄形成は主に12月から3月にかけて行われ、2、3月には産卵可能な状態に達することが示された(図2)。
  3. 8月以降、3通りの人工光周期:16時間明期─8時間暗期(16L、以下同様に略)、12L、8Lで、水温13℃にて飼育したところ、8Lの短日光周期でGSIの増加が見られ、本種の成熟が秋冬季の短日光周期により調節されていることが示唆された(図3)。
  4. 自然光周期と異なる飼育水温を組み合わせた実験により、北海道太平洋へ来遊したマイワシの成熟適水温は12~18℃の範囲内であることが明らかになった(図4)。
成果の活用面・留意点 ここで得られた成熟時期と成熟適水温の結果を、過去の海水温の観測データにてらすことで、過去に遡って南下回遊経路や回遊時期の推定が可能となり、資源変動に伴う産卵場、産卵時期の変化の原因を調べる手掛かりとなる。
図表1 228924-1.gif
図表2 228924-2.gif
図表3 228924-3.gif
図表4 228924-4.gif
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