タイトル |
二枚貝資源管理のための簡易ソフトの開発 |
担当機関 |
水産庁北海道区水産研究所 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
中村義治
|
発行年度 |
1994 |
要約 |
沿岸水産資源の有効利用と漁家の経営安定化のため、北海道沿岸の有用水産資源であるホッキガイなど二枚貝資源管理のためのパソコン用簡易ソフトを開発して漁業者による自主管理を可能にするツール(道具)を提供する。
|
背景・ねらい |
従来、ホッキガイの資源管理は主に漁期前調査からの資源量推定に基づきその年の許容漁獲量を決めている。しかし、漁期中は漁獲による資源量分布の歪みや急激な市況の変動があり、当初の推定が大幅に狂うことも多い。従って、資源経済的変動に柔軟に対応し合理的な漁業活動が行なえる簡易な在庫管理支援ソフトの開発が待ち望まれている。
|
成果の内容・特徴 |
- 管理ソフト(漁業管理運用システム)は6個のプログラム、「入力プログラム」、「中長期資源動向予測」、「資源状況の比較」、「現状分析」、「適正配船計画」、「管理評価」から構成され、使用言語はN88BASIC Ver.6.2(OS;MS-DOS 3.3D)である。
- 資源量の時間的変動予測と漁場内分布は「中長期資源動向予測」と「現状分析」で把握され(図1)、「資源状況の比較」では昨年と今年または漁期前と終了時の資源量や需給関係の変化を逐次確認することができる。「現状分析」の出力メニューには漁獲対象資源情報だけでなく、混獲物情報から海底面の環境マップ(図2)も得られる。
- 「適正配船計画」は「現状分析」の出力メニューであるCPUEマップや単価の時系列変動をもとに漁業管理委員会が立てた漁獲目標を線形計画法による漁船配置から達成する。
- 「適正配船計画」によるシステム管理の効果について、「管理評価」プログラムでは生産地における需給関係図(図3)から評価する。
- この管理システムによって年間の許容漁獲量にしばられた従来の固定的な漁獲管理方式から、その時の資源経済状況を反映した柔軟で合理的な計画操業が実現する。
|
成果の活用面・留意点 |
- この管理方式が有効に機能するためには、漁業経営がプール制(漁獲利益の等配分制)を採用していること、産地価格が漁獲量の影響をあまり受けない市場条件が必要。
- 簡易ソフトによる資源管理は漁業者を主体とする漁業管理委員会によって自主的に運用することができ、管理運用にかかる経常コストは軽微で漁業者の負担にならない。
- 操業日誌の記帳が継続実施されている海域が本管理システムの適用地域となる。
|
図表1 |
 |
図表2 |
 |
図表3 |
 |
カテゴリ |
管理システム
経営管理
コスト
ばら
|