微細藻類を利用したクルマエビ類幼生の飼育水の浄化

タイトル 微細藻類を利用したクルマエビ類幼生の飼育水の浄化
担当機関 西海区水産研究所
研究期間
研究担当者 岡内正典
小林正裕
水上 譲
発行年度 1994
要約 最近クルマエビ類の飼育には人工飼料が盛んに用いられているが、生物餌料と比べて人工飼料の給餌過多は水質を悪化させ易い。ここに微細藻類を併用することにより水質浄化や幼生の成長・生残に良い効果が確認できた。
背景・ねらい 人工飼料は生物餌料と比べて使用し易く、栄養価も変化しにくいことから、省力化をねらう種苗生産には欠かせないものであるが、しばしば給餌過多により水質を悪化し、種苗の大量へい死を招く。特に幼生期は飼育水の交換が困難であるため、水質を維持するべく手段を検討する必要がある。本研究では人工飼料と微細藻類を併用することにより藻類の水質浄化機能を利用した種苗生産の可能性を実験的に確かめることをねらいとした。
成果の内容・特徴
  1. ナンノクロロプシス、イソクリシス、キートセロス、テトラセルミス等、屋外での大量培養が可能な微細藻類の窒素、燐の吸収能力は極めて高く評価できることがわかった。中でもアンモニア態窒素の吸収率は高く、接種直後から吸収される。
  2. ナンノクロロプシスはエビ類の幼生用餌料としての価値は低いが、この藻類を人工飼料と併用給餌した場合でもエビ類のゾエア、ミシス期幼生の生残率や成長は良好であった。また、飼育水中の窒素と燐濃度は、人工飼料のみを給餌した場合と比べて低く保たれた。したがって、微細藻類の添加は水中からの窒素や燐の除去に役立つことがわかった。
  3. イソクリシス、テトラセルミス、キートセロス等、エビ類幼生の餌料として優れた藻類を人工飼料とともに給餌することにより、栄養面及び水質浄化の点でも優れた飼育環境が整うものと考えられる。
  4. 微細藻類は約10万~15万細胞/mlを目安に添加するとよいことがわかった。
成果の活用面・留意点
  1. 微細藻類の機能を利用して、より環境に優しい種苗生産技術の確立を図る。
  2. 人工飼料の利点と生物餌料の利点をともに引き出し、効率的な技術を検討した。
  3. エビ類の種苗生産に限らず、魚類や介類の種苗生産に広く利用できる。
  4. これまでも微細藻類を飼育水中に入れると、種苗の生残率が向上することは示唆されていたが、実験的に確かめた例は無かった。
  5. 本研究により、微細藻類に限らず大型藻類の水質浄化機能も有効利用できる可能性が示唆された。今後、検討する予定である。
(図1)
図表1 228934-1.gif
カテゴリ くり 省力化

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