アサリ育成漁場評価手法の開発

タイトル アサリ育成漁場評価手法の開発
担当機関 南西海区水産研究所
研究期間 1992~1994
研究担当者 石岡宏子
薄 浩則
浜口昌巳
発行年度 1994
要約 山口県・広島県の複数のアサリ育成漁場に種苗生産アサリを放流し、その生残・成長と各漁場の底質環境特性の関係から育成漁場の評価を行った。育成漁場としては底質粒度組成が不均一で適度な溜まり条件のあるところが良い。
背景・ねらい 最近西日本のアサリ生産量は激減し、生産方式も種苗を移入し干潟で育成し出荷サイズにまで仕上げる方式が瀬戸内海域で多くなっている。干潟の育成漁場としての適性を評価するために周防灘(3漁場)、広島湾(2漁場)の育成漁場に42定点を設置し、種苗生産アサリの放流調査及び底質環境調査を行った。
成果の内容・特徴
  1. 漁場環境調査は、「漁場の物理化学的特性」、「漁場底質の栄養状態」、「アサリの餌環境」、「アサリの競合生物」の4項目の情報を得ることを目的とし、放流調査は種苗生産された貝群に標識をつけて同時に全漁場に放流し成長・生残について追跡して行った。
  2. 物理化学的特性としては底質粒度組成に特徴があり、アサリの生残が良い漁場では4mmから63μm以下まで粒度が比較的幅広い分布を示した。
  3. 生残・成長の良い漁場では全硫化物量、強熱減量、富栄養細菌数で示される底泥の栄養状態は高い傾向にあった。
  4. クロロフィルa量よりもフェオ色素量の方がアサリの成長・生残をよく反映していた。
  5. 放流アサリ以外の生物の種類数と個体数から種多様度指数を求めた。放流アサリの生残・成長と種多様度指数とは直線的関係にあるわけではなく、アサリとの競合関係に基づき重み付けをした指数の算出を試みる必要がある。
  6. アサリの育成漁場としては、底質粒度組成からは底砂が移動する条件が少ないこと、底質栄養状態が適度であること、フェオ色素からは分解過程の植物プランクトン量が多いこと即ち滞留条件があること、また、生物環境からは競合生物の制御が重要と判断された。
成果の活用面・留意点
  1. アサリ育成漁場選定、アサリ漁場造成に知見を生かす。
  2. 底質、波浪等による物理化学的条件と今回の生物学的知見との整合を図ることによって効率的な漁場造成基準が作成される。
(図1、図2、図3、図4、図5)
図表1 228939-1.gif
図表2 228939-2.gif
図表3 228939-3.gif
図表4 228939-4.gif
図表5 228939-5.gif
カテゴリ 出荷調整

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