タイトル |
食品加工産業における水産物需要の特性と企業行動 |
担当機関 |
水産庁中央水産研究所 |
研究期間 |
1994~1994 |
研究担当者 |
田坂行男
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発行年度 |
1994 |
要約 |
水産物の供給・消費環境の変化に伴ない台頭が著しい食品加工産業のうち中食産業を対象に、その産業特性の検討と食材需要分析を行うことによって、水産物流通の再編メカニズムを明らかにした。
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背景・ねらい |
水産物の消費環境の変化が生産・流通両過程を規定する度合いが高まってきている。ただし、消費環境の変化といっても生産・流通過程にいかなる影響を与えているかについての具体的研究は極めて乏しい。この研究では、近年の消費環境の変化に伴って台頭が著しい食品加工産業のうち中食(弁当・惣菜)産業を対象に、その産業特性の検討と食材需要分析を行うことによって、水産物流通の再編メカニズムを明らかにした。
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成果の内容・特徴 |
- 中食産業で主に使用されているのは一般家庭で消費が減少している中価格魚種であり、中食産業が一般家庭内での水産物消費を代替している。
- 「持ち帰り弁当店」では他の中食産業に比べて調理バラエティの出せる魚種や調理過程が簡単な魚種を指向する傾向があり、食材供給側に対して加工度の高い食材やその商品種類を増やすことに対する期待がある。
- 中食産業は食材仕入れにおいて、価格の絶対水準よりも非価格面での安定性(すなわちa.安定出荷、b.安定規格・サイズ、c.安定配送、d.価格安定)を要求しており、既存の生産・流通機構の再編をもたらしている。
- 中食産業では生産の一部外部化や半加工品の仕入れが一般化している。この結果、流通過程内で食品加工産業間の取引が増大しており、市場外取引の一般化をもたらしている。
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成果の活用面・留意点 |
- 中食市場を構成する企業は中小企業が多いために、そこへの水産物供給は市場流通による供給が基本である。
- 製販分離の進展に伴う一括製造の高まり、需要増大に伴う生産規模の拡大などは、次第に市場外取引による供給を拡大させる取引環境を形成しつつあり、既存生産企業、流通企業の対応次第では新たな需要創出も可能である。
(表)
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図表1 |
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カテゴリ |
加工
出荷調整
品種
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