| タイトル | 卵数法によるツノナシオキアミの現存量推定法の開発 |
|---|---|
| 担当機関 | 東北区水産研究所 |
| 研究期間 | 1994~1998 |
| 研究担当者 |
東北区水産研究所資源管理部 研究員 瀧 憲司 |
| 発行年度 | 1996 |
| 要約 | 卵数法によって春季の三陸~常磐近海におけるツノナシオキアミの現存量推定方法を開発した。 |
| 背景・ねらい | ツノナシオキアミは三陸~常磐近海に優占する動物プランクトンであり、漁獲対象種としてのみならずTAC対象魚種の餌生物としてその資源生態の解明が重要視されている。これまで本種の現存量はプランクトンネット採集によって推定されてきたが、比較的強い遊泳力をもつため定量的な推定は困難であるとされた。そこで、遊泳性のない本種の卵を用いた現存量推定法を開発した。 |
| 成果の内容・特徴 | 推定法 プランクトンネット標本中のオキアミ卵数並びにオキアミ成体の生物特性値を用いて、平均分布密度(Ni)を月毎に次の式によって求める。 但し、αは放卵から孵化までの経過時間の回転率(回転/月)、Piは卵の平均分布密度、βは月間産卵回数、jはj=kから始まる成体の体長階級区分、qjは出現個体数の比率、yjは雌の割合(雌/(雄+雌))、δjは雌中交尾した雌の比率、Φjは雌1個体当たり産卵数である。なお、αとβは既往の室内実験による値を参照し、その他は実測値を用いる。このうちβについては1回の産卵が1回の脱皮間に行われていると仮定して月間脱皮回数を代用する。また、放卵から孵化までの死亡は全くなく、かつネットの曳網深度(150m以浅)で全て孵化すると仮定する。 海域毎の推定現存量(Wi)は、上記式で求められたNiと体長階級毎の出現頻度割合を加重した平均湿重量()と海域面積(Ai)との積として次の式により算出可能となる。 |
| 成果の活用面・留意点 | 今後は成体の産卵生態、卵の発生過程等に関する研究を充実させ、各パラメータを解明すると同時に、それぞれの精度を資源量推定に使用できるように高める必要がある。 |
| 図表1 | ![]() |
| 図表2 | ![]() |
| 図表3 | ![]() |
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