小型桁網による底生幼稚魚の採集調査手法の改善

タイトル 小型桁網による底生幼稚魚の採集調査手法の改善
担当機関 水産工学研究所
研究期間 1994~1997
研究担当者 升也利一
藤田薫
木元克則
発行年度 1997
要約 在来の採集器具の性能の検討結果に基づいて桁網を改良し、標準化候補器具として水工研Ⅱ型桁網を作成した。水工研Ⅱ型桁網は高速でも安定的に曳網でき、そのヒラメ稚魚の採集効率は在来の採集器具より高かった。また、水工研Ⅱ型桁網のヒラメ稚魚の採集効率は曳網速度の増加に伴って低下することと、曳網速度と水深により必要な曳網索の長さを明らかにし、適切な曳網条件を示した。
背景・ねらい 沿岸資源の増殖研究における魚介類の採集・調査では水産庁研究所、県水産試験場、大学等の試験研究機関において様々な形状の採集器具が用いられてきた。このことから、多くの試験研究機関による広域的な調査が必要となる栽培漁業などに関する研究においては、調査研究結果の比較検討が可能となるように採集器具の改善と標準化が求められている。
このため、平成2年度の水産業関係試験研究推進会議及び同資源増殖部会での決定に基づいて増殖関係生態調査標準化作業部会が設置され、平成3~5年度に底生魚類採集器具の標準化を図るために在来の採集方法の分析が行われた。6年度から水産工学研究所が水産研究所及び水産試験場の協力を得て、
  1. 在来採集器具の流体力学的問題点の検討、
  2. 採集器具に対する入網・逃避過程と採集効率向上の対策の検討、
  3. 標準化候補採集器具の開発・改良、
  4. 標準化候補採集器具の採集効率算出と在来採集器具との比較検討
を行った。
成果の内容・特徴
  1. 在来の西海区水産研究所型及び日本海区水産研究所型桁網を水槽及び現地で曳航試験し、これらの桁網が重量、構造に起因して曳網時に浮揚したり、前傾すること、採集効率が低いことなどの問題点を明らかにした。
  2. 底生魚類の逃避行動特性に考慮してグラウンドを網口幅(2m)の2倍の長さにし、桁の高さを低くして曳航時の抵抗を低減させ、且つ重量を35kgに増した水産工学研究所Ⅱ型桁網(図1、2)を作成し、これを標準化候補器具とした。
  3. 水産工学研究所Ⅱ型桁網のヒラメ稚魚の採集効率を潜水式囲い網で得られた分布密度と比較して求めた。全長30~70mmのヒラメ稚魚の採集効率は曳網速度の増加に伴って低下したが、在来の桁網に比べて高い採集効率と、2.5ノットの高速でも安定した曳網が可能となった。網目幅2.1mmでは曳網速度1ノット、1.5ノット、2ノットの採集効率はそれぞれ46%、33%、21%、網目幅3.7mmでは52%、35%、17%を得、網目幅による差は認められなかった(図3)。このことから、過大な曳網速度は不適であることが明らかとなった。
  4. 水槽における曳網試験から桁網の力学的特性を求め、数値シミュレーションにより曳網索長と曳網速度における桁網の曳網深度を推定し、現地曳網試験とほぼ一致する結果を得た(図4)。これから、適切な曳網条件(水深、曳網速度、曳網索長)を明らかにした。
  5. 桁網の実曳網距離を計測するために簡便な走行距離計(図2)を開発し、その実用性を確認した。
[成果の活用面]
成果の活用面・留意点 [成果の活用面]
本成果をもとにヒラメ幼稚魚採集調査指針(仮題)をとりまとめ、普及を図る予定。
図表1 229053-1.gif
図表2 229053-2.gif
図表3 229053-3.gif
図表4 229053-4.gif
カテゴリ

こんにちは!お手伝いします。

メッセージを送信する

こんにちは!お手伝いします。

リサちゃんに問い合わせる