タイトル | 漁業用作業機械のデータベース化と技術動向 |
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担当機関 | 水産工学研究所 |
研究期間 | 1992~1997 |
研究担当者 |
漁船工学 漁船機研 長谷川勝男 高橋秀行 漁船工学 制御研 小田健一 |
発行年度 | 1997 |
要約 | 漁業用作業機械について技術的な動向をまとめ、その現状と特徴を把握し、漁業生産システムの機械化・自動化の研究に資するとともに、関係者への最新データの提供を目的に、漁業用作業機械データベースを作成した。また、データの解析結果に基づき、今後の漁業用作業機械の発展方向について検討を加えた。 |
背景・ねらい | 背景・ねらい] わが国には、漁獲対象魚種に合わせた様々な漁法があり、使用する漁具と漁労作業に合わせた漁業用作業機械が使用されている。漁業者の高齢化、後継者不足などの漁業の現場が抱える問題は深刻さを増しており、これを解決する手段の一つとして、漁業の機械化・自動化を進めることが必須な状況である。そこで、漁業用作業機械について技術的な動向をまとめ、その現状と特徴を把握することで今後の研究に資するとともに、併せて関係者に最新のデータを提供することを目的に、漁業用作業機械データベースを作成した。 |
成果の内容・特徴 | データは、情報検索に対応できるよう、パソコンで処理をした。ソフトウエアには、データ解析の容易性と、完成後の有効活用を考慮して、データベース機能も併せ持つwindows上の標準的な表計算ソフト、Excel(Microsoft社)を使用して、データの入力を行った。本データベースには、現在、主に沿岸小型漁船に使用されている8区分、25機種、メーカ21社、393型式の漁業用作業機械が登録されている(図1)。 本データベースを用いた区分別の性能や機能などの分析結果では、現在の漁業用作業機械は、単独かつ独立して機能する機械から、複数の機能を持つ機械や漁獲システムの構成要素へと発展していく過渡期にあることが伺える。また、それらの分析結果と現地調査結果から、今後、漁業用作業機械のロボット化・自動化、シンプル化・兼用化、安全性確保及び総合的なシステム化を進める上で考慮すべき事項を整理した。 |
成果の活用面・留意点 | データベース機能も併せ持つ表計算ソフトExcel上にデータベースを構築しているため、Excelの持つオートフィルタ機能を使用して、必要なデータを簡単に、即時に検索して抽出することができる(図2)。したがって、漁労作業の改善や新型漁船を開発する場合に、目的・用途に最も適合した機能を有する機械の選定、漁撈機械の船上の適正位置や重量バランスなどの事前検討が容易になることが期待される。 最近のwindows上データベースソフトはマルチメディアに対応しており、データベース中への画像の取り込みも可能となっている。今後、本データベースと現在開発中の船型や機関のデータベース、並びにそれらの画像データベース等を組み合わせたコンピュータシミュレーション手法を開発することにより、作業性が良く、かつ安全な漁労機械のシステム設計、さらには、漁業生産手段としての漁船の総合的かつ合理的なシステム設計の実現に貢献できる。 |
図表1 | ![]() |
図表2 | ![]() |
図表3 | ![]() |
図表4 | ![]() |
カテゴリ | 機械化 データベース ロボット |