干満・給餌方式によるハマグリの中間育成技術の開発

タイトル 干満・給餌方式によるハマグリの中間育成技術の開発
担当機関 茨城県水産試験場
研究期間 1998~1998
研究担当者 山口安男
鈴木正伸
発行年度 1998
要約 ハマグリ人工種苗を粗放的に中間育成する方法として、無動力で自動的に干満を繰り返す水槽(当場で開発)を用いて、給餌条件下での中間育成試験を行った。茨城県地先の麻痺性貝毒の発生の原因プランクトン種は主に3~4月(平成5年~8年)はA.tamarenseで構成され、一方5~7月(昭和63年と平成元年)はA.catenellaで構成されていた。1987年(S62)~1998年(H10)の12年間で9回の発生があった。ムラサキイガイは9回の全ての年に毒化し、最も毒化しやすく、毒化時期が早い傾向にあった。この間、鹿島灘はまぐりは3回、ホッキガイは2回毒化した。
背景・ねらい 人工種苗ハマグリ(和名:チョウセンハマグリ)については、2mmサイズまでは安定的に生産することが可能となりつつある。一方、2mmサイズで放流した場合の生き残りは、放流貝がほとんど再捕されないことから極めて悪いと考えられる。放流貝の生残率を高めるためには、放流サイズの大型化(当面10mmサイズ)が不可欠であるが、ハマグリの市場価格はキロ千円前後と安く、中間育成に経費をかけることができない。そこで、粗放的な中間育成法の一つとして、干満・給餌方式による中間育成技術の開発試験を行った。
成果の内容・特徴
  1. 飼育水槽(自動干満式水槽)に餌料プランクトンを含む一定量の海水を注水し続けることにより、自動的に水槽内の水位が1日に15回前後上下(干満を繰り返す)する装置を考案した。
  2. 3平方メートルの飼育水槽の底面にフィルターを設置し、その上に細砂を敷いた後に殻長7.8mmのハマグリ稚貝16,456個を収容した。
  3. 飼育水槽の水位が上下することにより、水槽内の有機物(残餌や排泄物等)が水槽外に排出される。また、水位が最も低い時点で細砂層が空気中に干出し、砂の中に酸素が補給されるため還元層が形成されにくくなる。
  4. 飼育開始(5月8日)時点で平均殻長7.8mmのものが、214日後で平均殻長13.5mmまで成長した。また、この間の生残率は86%であった。
  5. 飼育期間中は、屋外のコンクリート水槽に栄養塩を施肥することによって増殖させた植物プランクトンをサイホン方式で飼育水槽に送水した。
成果の活用面・留意点
  1. 餌料プランクトンの培養を粗放的に行ったため、正確な給餌量が算出できなかった。そのため、適正収容密度を明らかにすることができなかった。
  2. 水槽の水位を無動力で自動的に上下(干満)させるためには、水槽の容積、配管の径、配管の長さ、水槽底面と排水口とのレベル、注水量等が関係する。そのため、使用目的に応じて水槽の形状を調整する必要がある。
図表1 229115-1.jpg
図表2 229115-2.jpg
図表3 229115-3.jpg
カテゴリ 施肥

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