タイトル |
アコヤガイの大量へい死発生時における生物学的性状の解明 |
担当機関 |
中央水産研究所 |
研究期間 |
1998~1999 |
研究担当者 |
沼口勝之
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発行年度 |
1999 |
要約 |
アコヤガイの大量へい死発生機構の解明と予察技術の開発に資するため,真珠養殖漁場において,アコヤガイの大量へい死が発生する時期を把握するとともに,大量へい死が発生する前と発生中のアコヤガイの生物学的な性状を明らかにした。
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背景・ねらい |
1996年以降,西日本を中心にした真珠養殖漁場においてアコヤガイの大量へい死が顕在化し,その原因究明と対策が緊急の課題になっている。アコヤガイ大量発生の予察を行ううえで,漁場におけるアコヤガイの生物学的な性状をモニタリングすることは,アコヤガイの大量へい死を未然に防ぐうえで重要である。本研究は,大量へい死が発生している真珠養殖漁場において,大量へい死の発生時期やへい死発症時におけるアコヤガイの性状を明らかにし,漁場におけるアコヤガイの生物学的なモニタリングを行うために必要な基礎的知見を得ることを目的にした。
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成果の内容・特徴 |
- アコヤガイの大量へい死が発生している愛媛県宇和島湾において,1988年4月から11月までの期間,アコヤガイのへい死率と体成分の時期的変化について検討した。
- アコヤガイの大量へい死は9月中旬以降発生し11月中旬まで継続した(図1)。
- 調査期間中,アコヤガイの殻長と全重量とも増加していたが,肥満度は漸減していた。
- アコヤガイ貝柱のグリコーゲン量は,大量へい死が発生する9月中旬に最も低下した(図2)。
- アコヤガイ血清中のGOT酵素活性値(図3)とタンパク質量(図4)は,アコヤガイの大量へい死が発生する前に増加し,その後減少した。
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成果の活用面・留意点 |
アコヤガイの大量へい死発生の予察を行うためには,漁場においてアコヤガイの生物的な現状をモニタリングすることが必要である。本研究では,大量へい死発生時のアコヤガイの性状の変化を明らかにした。モニタリングの精度を向上させるためには,大量へい死時のアコヤガイの生物学的な性状についての知見をさらに整備する必要がある。
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図表1 |
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図表2 |
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図表3 |
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図表4 |
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カテゴリ |
モニタリング
予察技術
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